トレーダーの感情

投資ルール

市場の行動は「衝動」に基づいているのですから、当然そこに参加する自分自身の行動もその衝動に支配されています。

つまり、自分も含めた投資家は無駄なことやマイナスに働くようなこと、理屈に合わないことを日々行っていると言う事です。

投資家の最大のリスクは次々に湧き上がってくる迷いや感情に踊らされることです。

次々に襲う感情と言うものがたいてい一時的でその場しのぎなものであることを考えればそのリスクは明らかです。

このリスクを避けるためには、感情に左右されないような投資の方針、ルールと言うものを定める必要があります。

しかし、ルールは定めただけでは、なかなか守れるものでもありません。
沸き起こってくる矛盾した感情はルールを決めたからと言って抑制し難いものです。

自分で定めたルールを守るには強固な意思と更にそのルールへの信頼と言う事が大事です。
つまり、それを守りたくなるような信頼がその方針やルールに置けるかどうかが重要です。

自分自身の信頼がおけない方針やルールを守ることは困難ですし、逆にそれが信頼出来て納得できるものなら感情を抑えてそれに従うと言う事が比較的ながら容易に行えるはずです。

相場に翻弄されることなく利益と言う効率を優先して冷静に対処するためには、投資ルールと言う武器を持つことが一つの見識であり、それなくしてただ野放し状態の自分の感情と向き合いながらの投資を行うのはかなり危険なことですし、またそれは長く続けられるものでもありません。

ルールへの信頼

ルールは資金を一度に使い切らないための資金分割の定めや、欲につられてのチャンスの深追いへの制限、ピンチの際の迷いと言う非常に危険な行為に対処する即撤退の方針などを事前に決めておいて如何なる場面でもそれを冷静沈着に守るためのものです。

これらはただ単に決めただけでは、実際の売買のそれぞれの場面で湧き上がってくる迷いや欲望、高揚した感情や捨て鉢な感情に簡単に取って代わられてしまいます。

実践的なものにするためには自分の気持ちとかけ離れたものを作っても意味がありません。
信頼できるルールの条件は、自分の性格に照らしてまず無理なく受け入れられるものであることも大事です。

相当に無理をしないと受け入れられないようなものにしてしまうといずれ軋みが生まれますし、まずその前に、「積ん読」の本のように次々にルールの数だけが追加されて積み上げられたままで結局有効活用されることもないと言う事になってしまいます。

例えばチャンスの深追いはそのトレードを始める際に相場のレンジなどから設定した目的の金額に達すると自動的に仕舞うと言うのが鉄則ですが、それが性格的に困難なほど深追いに強いこだわりを持つような人ならもっと細かく条件を設定して、多少の深追いが出来るケースをいくつか決めておく方が有効に機能するかもしれません。

但し、その細かい条件を設定する際には出来るだけリスキーなものを避ける努力をしておかないと、いくら自分の性格や感情に合わせたと言っても今度はルールへの信頼性と言う自分自身の理性の部分にかなわないものになってしまいます。

ルールへの信頼とは理性を伴った感情の納得ですから、理性が納得できるものにする必要があります。
つまりそのルールを行使した際の、メリットデメリットを自分自身に対して出来るだけ明確にしておく必要があります。

上がれば下がる、下がれば上がる

相場で勝ちつづられるわけではないことや、逆に負けが込むこともあるくらいは、具体的な経験の有無に関わらずたいていの投資家にはわかっているはずです。

元来大して欲深い性格でない人でも相場は不確実性の高いものなので、儲けられるときには少しでも儲けたい、思惑が外れても何とか損失を取り返したいと言う欲を当然持ちます。

このもっともっと儲けたいと思う感情や、目の前の損失をなかなか受け入れられない感情が投資家を危険に巻き込んでゆきます。

現在の相場の騰落レンジからこのあたりまで利益が出たら撤退すると言うルールを決めていたはずなのに、その目標に達した途端、目の前の相場がもっともっと利益を秘めているように思えたりします。

逆に目の前で損失が発生しているのに、相場がこのあと逆転してこの損失が利益に代わるかもしれない、あるいはもしそうなった時にここで損切りしたことが悔やまれるかもしれない、などと迷いつつ損切りルールに手を出せずにいたりします。

どちらのケースも相場は騰落を繰り返すものですから、理屈を無視して期待した現象と言えどもそれが偶然起こる可能性は厳然として相場には存在します。

上がれば下がるし下がれば上がるのが相場です。
しかし、思惑を超えて上がり続けたり下がり続けたり、あるいはその逆に予期せぬ事情で簡単に反転するのも相場です。

この思わぬところで騰落が反転すると言う可能性がある限り、経験の浅い投資家には「目の前の現実を受けえれられない」と言う感情は簡単には払しょくできません。

例え偶然に期待通りの反転が起ころうとも、統計的には粛々とルール通りにトレードを行わないとトータルでの利益は期待できないはずなのですが、そう言う理屈を感情が曇らせてしまいます。

明らかに矛盾したことを謳っている詐欺的な投資商材に簡単に引っかかるのもこの「現実を受け入れられない心理」からきています。

投資戦略やロジック作成時に相場に過剰にロマンを求めるのもまた同様にこの「現実を受け入れられない心理」からきています。

こうした心理に、入り込んでいる感情は衝動買いのようなものです。

つまり客観的な現実を無視して、期待値に大きく偏った判断です。

平常心

今のところ四割打者はいないので、最高の成績を残した首位打者でも六割以上は凡退していますが、この凡退がある限り打者は数字を意識し、それによってリズムが崩れる可能性があり往々にしてスランプに見舞われます。

スランプには体調もあるでしょうが、精神的なものの場合平常心の崩れもあるようです。

この精神的なスランプは全盛期の「イチロー」と言えども付き合わなければならないものでした。

フォームの乱れなどをコーチに指摘されれば、理屈はわかるのでしょうが、潜在意識にまで修正が届くのには時間のかかるものです。

イチローはスランプとの付き合いがうまかった選手と言われますが、イチローの場合そのスランプの正体を誰よりも理解していると言うことが言われます。

イチローは潜在意識と体が覚えたルーティーンを崩さないことで一時的な感情に振り回されるのを避けようとしたようです。

投資においてもスランプは起こりえます。

投資家の陥るスランプでもっとも厄介なのは調子の良い時に更なる欲が出て調子を崩すケースかもしれません。

スランプの原因が相場にある場合には平常心が崩れていなければ比較的対処のポイントが早い時期に見えたりしますが、過剰な欲望、更なる利益への衝動が原因で起こったスランプは、その余分な感情が自分の中できちんと整理がつくまでに相応の時間のかかるものです。

自分の置かれた立場、自分の実力、そこにある現実を冷徹に受け入れ見失わない勇気が平常心です。



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