永遠に若返る生物 ベニクラゲ

死骸の見つからない生き物

ベニクラゲが不老不死の生き物かも知れないと言うのは研究用の飼育器の中に死骸が見当たらないと言う不思議な現象の観察から始まった実験や研究で導かれたと言われています。

ベニクラゲは日本近海にもいますが、この不老不死の現象がかくにんされたのは、イタリアのサレント半島のベニクラゲの研究がきっかけです。

1994年頃、ベニクラゲの研究をしていた レッチェ大学のボエロ博士にベニクラゲの水槽の世話をするように言われていたある学生が、そのクラゲの世話を忘れて長時間ほったらかしにしたのですが、クラゲが全滅してしまったはずの水槽にはクラゲの死骸が見あたらず、生まれたばかりの姿になっていたのです。

その後の研究で数年前にこの生物が不老不死の生き物である可能性がわかったのです。

このベニクラゲの性質が知られるまでは不老不死の生物なんているわけがないと考えられていました。

しかしベニクラゲは、不老不死の可能性もあるのですが、現在では少なくとも「若返り」が確認されている生命体です。

注目すべき若返りのメカニズム

ベニクラゲは、人間で言うと、成人の肉体がストレスなどで受精卵の状態にまで戻り、改めて成長していくことが可能だということがわかっています。

また、ベニクラゲのこの若返りと言う特徴の研究は、がんの治療につながる可能性も指摘されており、今や注目される研究の一つとなっているようです。

ベニクラゲは飢餓などの環境から受けるストレスによって若返りを起こします。

クラゲの一生は受精卵が幼生になり、海底に沈み、何かに密着してポリプと言う幼生になります。

そして時間をかけて自由に移動することができる成体になります。

ベニクラゲは成体が生殖行為などをへずにそのままこのクラゲの幼生であるポリプに変化できるのです。

生殖細胞と言う永遠の命

ベニクラゲが若返る課程は分化転換と呼ばれています。

ベニクラゲの細胞はすでにある機能を持つものとして成長した状態、例えば肺細胞や肌細胞として機能していた状態であっても、IPS細胞のようにまったく異なる細胞に変化できます。

つまり筋肉細胞が神経細胞に変化したり、さらに精子や卵子にすら変化できるのです。

細胞の分化転換はIPS細胞などのような何にでも変化の出来る幹細胞でおこる現象ではありません。

生物全体でみれば細胞が分化転換を起こすことが全くないわけではありません。
鶏は眼球からレンズを取り除くと、虹彩細胞がレンズの細胞に変化することが観察されています。

もちろん鶏はベニクラゲのように成体がそのまま若返って卵に戻ることはありません。

ベニクラゲが科学者にとって興味深いのは、幹細胞のような分列初期の未分化の細胞から起こる現象ではなく、普通の細胞がそのまま他の役割を持つ細胞に変化する分化変換と言うメカニズムで若返っている点です。

  老化防止研究への期待

細胞の役割の違うものに変化するのがどんなメカニズムかはまだ解明されていませんが、この研究は人間の老化防止や細胞の再生などに非常に興味深い結果をもたらす可能性があります。

たとえばがん細胞に変化した細胞を、ベニクラゲのメカニズムによって若返らせることが出来たとしたら、それはがんを癌化以前の健康な細胞に戻せると言う事なのです。



ストレスを受ける途端、突然の若返りを何度も繰り返す生物 ベニクラゲ。

理想的な飼育環境に置けば不老不死であることが確認されたイソギンチャク ヒドラ。

寿命・余命を伸ばすことが確認された夢の寿命延長薬 ラパマイシン。

1951年から世界中の培養器の中で分裂し続ける、不死のヒト由来細胞、ヒーラ細胞。

細胞のガン化のプロセスを逆回転にする、ガンの正常細胞化技術。

細胞の寿命の長さと比例する染色体の分裂回数のチケット 寿命時計 テロメア。

動物の寿命を延ばすカギ 注目のサーチュイン遺伝子とそれを活性化するNMN。

細胞分列回数の寿命を規定するヘイフリック限界。



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