勝ち組は一割以下とわかっている、トレーダーの適正、セミナーや投資商材の提供者は勝ち組か、不思議なインジケーター、価値のある投資手法の伝授とは
相場は僅かな勝ち組と、大多数の負け組で出来ています。
勝ち組は一割ともそれ以下とも言われますが、これを否定するような話は聞いたことがないので、実状はこの話と大差ないのでしょう。
ではこの「勝ち組一割以下」と言う状況を知恵と工夫で変えることができるのかと言うと、「変えられる」と言った話も聞いたことがなく、また相場の仕組み成り立ちを考えればこの比率には必然性があり、多くの市場専門家もこの現状は大きくは変わらないだろうと言う風に考えているようです。
例えば負け組が一割で勝組が九割、あるいは勝ち組と負け組が五分五分などと言う現象が起こり得るのかと考えてみれば、手数料などの参加コストだけを考えてもそれはありえないことでしょう。
多様性が進化論で言う生命生き残りの戦術である限り、進化論的に進化した人間は多様性に富んでいます。
義務教育の授業は児童個々の多様性をカバーできるよう汎用的な内容を心がけているはずですが、多様な個性の集団を一つのカリキュラムでカバーすることの困難さは繰り返し問われています。
ましてや一割の勝ち組に入る方法の伝授となると、個々の性格や適正がシビアなに問われるはずで「誰でも学べる」あるいは「容易に学べる」と言った教材が本当に成立するのかと言う疑問があります。
5年間天才的なトレードで勝ち続けていた人が、その後借金地獄に落ちたとか、地道なトレードを誇っていた人が最近はパッとしなくなったと言う事はよく耳にするところですが、一定時期勝ち続けてっていてもその継続が困難な現実を見れば相場の勝ち組の定義とは何なのかと言う事になります。
付け焼刃で身に付けた方法で利益を上げても、その継続が本当の意味での勝ち組の条件であれば、投資家個人の適正の重要さは相場を学ぶ上で無視できない要素となります。
「秘伝を伝授」「手法をついに公開」「限定配信」「ここだけ」「いますぐ」「簡単」と言った文言の並ぶセミナーのキャッチフレーズに対して、その信憑性の判断基準の一つとして主催者自身の投資技量を客観的に判断できるかどうかも重要です。
そのためには、実際には投資学習者の側にも事前の一定の投資知識が必要であるはずです。
そうでなければ何も知らずに、評価すらできない相手に広告の文言だけを信じてお金だけを預けると言うことになります。
ジョンボリンジャーやラリーウィリアムズは日本でも投資セミナーをやっているようですが、勝ち組の方のウォーレンバフェットやジョージソロスが人を集めて投資セミナーをやっていたと言う話は聞いたことがありません。
そう考えると相場で巨額の利益を上げている人がそれを不特定多数の人に伝授する意味はナイトしか思えないので、セミナー主催者がそうしたことを行う合理的な動機は次の三つくらいしか思い浮かびません。
どれも現実にありえる動機ですが…、
(1)のタイプは趣味なので内容が薄いかもしくは非常に充実しているかであるのと同時に特定の人を対象とするものと思われます。
(2)は(3)の意図が被らない点が明確な講師であれば、限定的な手法については参加したことの成果が得られる可能性がありますし、不特定多数の参加者を対象にしている内容でも、個人の適正によっては得られるものがあるはずです。
(3)は参加費が高額であるケースが多いと思われ、中には詐欺もしくは詐欺的なものも含まれると思われます。
厳密な意味では①以外のケースにはいわゆる「相場の勝ち組」が存在できる可能性がないはずです。
ポイントは相場で勝ち組に入っているかどうか不明な立場の人から何を学べるのかと言う事です。
このサイトの「ワイルダーのアダムセオリ―」を紹介したページのアクセスが急増したことがありました。
手記的内容で通常は訪問者がさほどないページなので調べたところ「アダムセオリー」なるインジケータらしきものの広告がネットに流れていたのが原因でした。
ワイルダーの「アダムセオリ―」と言うのは「予断や予想を持ってトレードをするのではなく、目の前の相場を素直に受け止めろ」と言うテーマで喩え話などを並べた書籍のタイトルで、副題に「未来の価格がわかる…」みたいなフレーズが付けられていますが、このサブキャッチは「アダムセオリ」とは無関係の付け足し記事を拡大解釈した程度のものです。
商材の内容を見ていないので、実はメンタルの教材のようなものなら私が誤解しているまっとうなものである可能性も否定できませんが、もしそれがロジカルなインジケータであるなら、普通に考えると主題である「価格の動きを予測するな」と言う教訓からどのようにすればロジカルな手法が構築できるのかと言う気がします。
詳細はわかりませんが、インジケーターの配布者が看板の「アダムセオリ―」がワイルダーのものであると主張しているかぎり、その中身は疑わしいと言う事になります。
アダムセオリ―と言う書籍に知識の無い人なら、そのアダムセオリ―と言う名称の持つ響きのインパクトややワイルダーと言うキーワードだけを参加のための判断材料にしている可能性があります。
原典を一読すれば判断力のある人なら商材への参加はためらわれるはずです。
他人から相場を学ぶ、あるいは他人に投資法を伝授すると言うことは、日々騰落の思わぬハプニングを繰り返す相場において「勝ち続ける」と言う事を前提にするなら、それは決してたやすいことではありません。
その困難さをふまえた上で、本当に投資を学ぶと言う事の正しい伝授法と思われる一つの事例があります。
灘株太郎さんの「株修羅の道」と言うブログの中にある「師匠の思い出」です。
灘株太郎さんと師匠のような関係は不特定多数の投資学習者の誰もが経験できるものでは決してありませんが、この師弟関係を知ることは「投資手法の伝授とはこのようなものかな」と心から納得できる示唆に富んだひとつのヒントになるものと思います。
灘株太郎さんからは、快くブログの引用を許可していただいており、投資法を学ぶと言うフォーリングを投資家を志す方々、とりわけ初心者の方々に理解していただくためにここで紹介することにしました。
実は灘株太郎氏のブログ原文を読めばわかる方にはここで私が述べたいことのすべてがわかるとも思えるのですが…、ここでは私なりにその内容を咀嚼しつつ検証しています。
余談ながら灘株太郎さんと私には面識は一切ありません。
以前、「株修羅の道」でこのサイトを取り上げていただいた時、アクセス増の検証で「株修羅の道」を閲覧させていただいたところ、そこでたまたま見つけて紹介したくなったのが、「師匠の思い出」だったと言うことです。
引用の許可は株太郎さんのブログへの投稿に対する返信と言う形でいただきました。
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