ボラティリティー システム 仕組みと用法 / 基本四要
ボラティリティ・システムとは
(英)The Volatility System / The Chandelier System
ボラティリティ・システムは、ATR(Averrage True Range)を利用したパラボリック同様のトレンド追尾型のドテントレードシステムです。
トレンドの追尾には移動平均線を用いずに、ワイルダー独特のSARと呼ばれるラインを用いている点はパラボリックと同じ考え方ですが、そのチャートを見るとパラボリックの放物線SARとは全くイメージの違うSAR(ストップ・アンド・リバース)が描かれています。
パラボリックのSARが値動きとの交点に向かって連続したなだらかなラインで描かれるのに対して、ボラティリティ・システムのSARは押し目や戻りなどに反応して価格への追尾性が敏感な印象があります。
ATRを使った各種の指標
ワイルダーのボラティリティシステムと呼ばれるものはいくつかあるようです。
主にATRを使った比較的簡単なシステムが「ワイルダーのボラティリティシステム」と呼ばれているようですが、それらは本当の作成者が誰なのかが不明確なものばかりです。
一般に「ワイルダーのボラティリティシステム」とされているのは別項で紹介しているボラティリティ・ワイルダー(ATRシステム)と呼ばれるものです。
これらのうち確実にワイルダー自身がが作成したことが確認できるのはこのページで紹介している「ボラティリティシステム」だけで、別名「シャンデリア・システム」と呼ばれるものです。
「シャンデリア・システム」はワイルダーの著書で紹介されています。
余談ですが、チャート上のSARの形状がシャンデリアの装飾(クリスタル玉)に似ているのがシャンデリアシステムの名の由来です。
ボラティリティ・システムの計算方法
SAR(ストップ・アンド・リバース)の値はATR(アベレージトゥルーレンジ)に定数を掛け合わせたものをトレンド期間中の最も高い終値、最も低い終値に加減して求めます。
- TR(トゥルーレンジ)
(当日高値-当日安値,当日高値-前日終値,前日終値-当日安値)の中の一番大きいものがTRと定義されています。
TR=Max ( TH-TL ,TH-PC ,PC-TL )※前日の終値をPC、当日の高値をTH、当日の安値をTLとする。 - VI(Volatility Index)
ここで言うVIとはTRの移動平均であるATR(Averrage True Range)のことです。
VI = (TR.1+TR.2+TR.3+TR.4+TR.5+TR.6+TR.7)÷7
(ワイルダーは7日間移動平均を推奨) - 定数Cの設定
Cはパラボリックにおける加速因数と同様にSARを描く上で都合の良い、実態にあった数値を選んだものと思われます。
ワイルダーは著作の中で、「定数Cはトレンドが続く限りポジションを適正範囲内にとめる役割をはたしており、これは押し/戻し、反動に対して、もしくは反動して長期のトレンドの反転サインとなるような価格が現れたときにも有効である」と述べています。
そのような積数を求めていろんな数値を実際の売買チャートに適用しながら求めた結果、ワイルダーは経験をもとにCの初期値を3、可変範囲を2.8~3.1としています。
※自分のスタイル、相場の実態にあわせてCの設定範囲を更に広く(2.0~4.0くらいで)取る場合もあるようです。 - ARC
VI(ATR)に定数Cを掛け合わせたもの(積)をARCとします。
ARC = ATR × C - SIC(Significant Close)
SICとはトレンドの続く期間中(何日間かの)の最も重要な終値のことです。
hiSIC = 買いトレード継続期間中の最も高い終値
loSIC = 売りトレード継続期間中の最も安い終値 - SAR(Stop And Reverse)
上昇トレンド
SAR = hiSIC - ARC
下落トレンド
SAR = loSIC + ARC
見方、使い方、トレードのタイミング
使い方はパラボリックと同様で、価格がSARと交差した時を売り買いシグナルあるいはトレンド転換シグナルの発生とみなしてエントリーあるいはエグジットポイントとします。
- [ 買いシグナル ]
下落トレンド期間中に価格がSARを上回った時(翌日寄付で買う)。 - [ 売りシグナル ]
上昇トレンド期間中に価格がSARを下回った時(翌日寄付で売る)。
ボラティリティ・システムの注意点
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