モメンタム 仕組みと用法 / 基本四要

モメンタムとは

(英)Momentum / The Trend Balance Point System


モメンタムとは「勢い」のことですが、テクニカル分析では、本来は当日の終値と数日前の終値の差を求めた値のことを指します。

但し「モメンタム」と単に呼称することがモメンタムを使った指標を指す場合もあり、そのような意味で言えばワイルダーの指標集では「モメンタム」と言う名称は「トレンド・バランス・ポイント・システム」と言う指標の通称として使われる事もあります。

ちなみに「トレンド・バランス・ポイント・システム」の「トレンド・バランス・ポイント」とは引けエントリーを想定して、引け前に当日の終値(実際には気配値)と比較してシグナルを算出するための当日の予想加速度(想定比較基準値 - 後述)のことです。

「モメンタム」は、現在の価格を過去の価格と比較することで、現在の価格の持つ状態を定義しようと言う考え方です。

市場の判定においては、その日の値動きの振幅の度合いが最も重要なので、モメンタムの考え方はある意味もっとも基本的なものと言えます。

図では、赤の線が相場の値動きを表し、これを右に何日かずらしたもの(緑の線)との差(緑と赤)の差がモメンタムを表します。

値動き(赤の線)が過去の値(ずらした値・緑の線)より上ならモメンタムは正の値(プラス)、下ならモメンタムシステムは負の値(マイナス)となりますが、後述のモメンタム・システムでは加速・減速と言う定義もプラス・マイナスで表現するため、これと混同しない注意が必要です。

* 一目均衡表の先行線や遅行線の考え方も、モメンタム(現在値と過去の値の比較で相場を見る)の考え方と同様のものです。

モメンタムは「テクニカル・トレーディングにおいて最も役に立つ概念のひとつである」とワイルダーは述べています。
しかし、その一方で多くのトレーダーには最も理解しにくい概念であるとも述べています。

そこでこのモメンタムをマーケットの加速と減速の指標と言う尺度で捉えたら理解しやすいのではないか…と言うのがワイルダーの「トレンド・バランス・ポイント・システム」の考え方です。

モメンタム ファクター

トレンド・バランス・ポイント・システムでは当日の終値と二日前の終値を使い、当日終値から二日前の終値を引いてもとめた値ををモメンタム・ファクター(MF)と呼びます。
このMF同士を比較して前日のMFに対して今日のMFが大きければ、モメンタムシステムは加速したと捉え、逆に前日のMFに対して今日のMFが小さければモメンタムは減速したと捉えます。
加速は「プラス」減速は「マイナス」と呼びます。
ここでは現在と過去の終値の差(正負、両方の値をとる)を見てモメンタムがプラスあるいはマイナスであると言う言い方をするのと混同しないための注意が必要です。
つまり、前日の価格に対して当日の価格が値上がり、もしくは値下がりしていても、当日と前日のモメンタムが同じ値であれば、この二日間のMFはプラスでもマイナスでもない(定速MFイメージ参照)ことになります。

例1)

日付1日目2日目3日目4日目5日目
価格100円110円120円130円140円
MF--202020
上の例ではMFは3日目=20(3日目-1日目)、4日目=20(4日目-2日目)、5日目=20(5日目-3日目)となり、加速も減速もしていないことになります。

例2)

日付1日目2日目3日目4日目5日目
価格100円110円120円131円142円
MF--202122
加速するためにはMFが少なくとも3日目=20、4日目=21、5日目=22となるような株価にならなければならず、

例3)

日付1日目2日目3日目4日目5日目
価格100円110円120円129円138円
MF--201918
逆に減速するためにはMFが少なくとも3日目=20、4日目=19、5日目=18となるような株価にならなければなるません。

注意しなければならないのはMFの加速、減速の両方が上昇局面で起こりうるし、同様に下落局面でもMFの加速、減速の両方が起こりえると言う点です。

こうして今日のモメンタムが最近数日のモメンタムと比較して加速しているか減速しているかと言う基準で売り買いを判断します。

MF自体をチャート化した場合

加速MF (プラス) 定速MF 減速MF (マイナス)

モメンタムの計算方法

モメンタムファクター(MF)を式で表すと、MF(0) = P(0) - P(n)となります。
MF(0)=直近(当日)のモメンタム・ファクター
P(0)=直近(当日)の終値
P(n)=n日前の終値

売り買いの判断は次のようにおこないます。

  1. もし今日のMFが過去二日間のMFのいずれかより大きい値であれば終値で買う。
  2. もし今日のMFが過去二日間のMFのいずれよりも小さい値であれば終値で売る。

ただし、当日MFの算出には当日終値が必要となるため当日の終値決定以前に当日MFの算出はできません。
そこで、ワイルダーはTBP(トレンド・バランス・ポイント)と言うものを設定し、これと過去のMFを比較することで、過去二日間のMFと当日MFの比較と同様の判断ができるようにしました。
  1. 上昇トレンド、TBP(当日) = 前々日終値 + (前日MF、前々日MFの小さい方)
  2. 下落トレンド、TBP(当日) = 前々日終値 + (前日MF、前々日MFの大きい方)

上の式では当日MFによる比較を当日終値による比較に置き換えるために、当日終値を当日MFに前々日終値と言う下駄を履かせた値として定義しています。
これは、当日MF = 当日終値 - 前々日終値 と言うプロセスの逆と考えれば理解しやすいでしょう。
つまり、比較すべき当日MF、前日MF、前々日MFのすべてに前々日終値と言う共通の下駄を履かせることによって当日終値と簡単に比較できる下駄履きMFができます。
そして、前日・前々日の下駄履きMFと比較すべき方の下駄履きMFをTBPと呼んでいるわけです。

見方、使い方、トレードのタイミング

  1. TBPによる相場判断
    上昇トレンドで終値がTBPを下回れば下落転換サイン。
    下落トレンドで終値がTBPを上回れば上昇転換サイン。
  2. TBPによる取引ルール
    仕掛け
    1-1.終値がTBPより上なら終値で買う。
    1-2.終値がTBPより下なら終値で売る。
    仕舞い
    2-1.目標値または、損切値で行いドテンはしない。
    仕掛け後、目標値にも損切値にも達しないまま大引けになる場合
    3-1.終値がTBPより上なら売りなら終値で買いにドテン、買いなら継続。
    3-2.終値がTBPより下なら買いなら終値で売りにドテン、売りなら継続。
    仕舞い後
    4-1.終値とTBPを比較して終値で新たに仕掛ける。

  3. 損切と利食い目標の手仕舞い値の求め方。
    PP(ピボット・ポイント) =( H + L + C ) ÷ 3
    TR(トゥルー・レンジ) =( H - L ),( H - PC ),( PC - L )のうち最大となるもの
    ※ (H = 高値) : (L = 安値) : (C = 終値) : (PC = 前日終値)

  4. 損切値
    1.買い仕掛けの場合 PP + TR
    2.売り仕掛けの場合 PP - TR
    手仕舞い目標値
    1.買い仕掛けの場合 PP × 2 - L
    2.売り仕掛けの場合 PP × 2 - H

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ワイルダーの開発したテクニカル指標の計算ファイルです。
現在広く使われているのテクニカル計算法の基本的な指標群です。

もっともよく知られたテクニカル指標の計算ファイルです。
トレンド系とオシレータ系の代表的なものを集めています。

バンド系、チャネル系テクニカル指標の計算ファイルです。
逆張りエリアや過熱エリアなどの境界検出に用いられます。

代表的な各種の移動平均をそろえた計算ファイル集です。
各テクニカル指標の移動平均部分で差し替え検証などを行うことができます。

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