テクニカル インジケータ活用ノウハウ「線形回帰分析」。
直線のチャネルでトレンドと値動きの状態を表わす指標。
(英)Linear Regression Analysis
テクニカル・インジケータでは相場変動によってバラついた価格の回帰値・つまりバラつきをなくした標準地として普通は移動平均線を用います。
例えば標準偏差をもとにバラつきの特異点を見つけようとするボリンジャーバンドでも標準偏差を計算しながらその偏差振幅範囲は移動平均線を基準として移動平均の上下に引かれます。
しかし、この移動平均線に標準偏差を加算減算すると言うアイディアは発想としては非常に面白いのですが、数学的には標準偏差で導かれる特異点としての意味はありません。
このためより数学的に意味のありそうな価格のバラつきの回帰値を求めて、より有効な特異点を特定できる方法はないのか…と言う事になるわけですが、そうした経緯で用いられるようになったものが「線形回帰」と言う統計の手法です。
ちなみにボリンジャー・バンドなどで使われる標準偏差と言う考えも統計の手法の一つですが、こちらは移動平均と組み合わせた点で統計学的な意味は薄れたと言えます。
移動平均がランダムに並んだ終値の中心(回帰値)を曲線で結ぶのに対して、線形回帰はランダムな終値群の中心を通る一本の直線(これが線形の意味です)で描かれます。
つまり線形回帰では選択した期間全体が一本の直線で描かれる一つのトレンドになります。
この方法は標本のバラツキ面に対して一定の統計学的に意味を持っている可能性があります。
移動平均なら(設定期間にもよりますが)通常一年間にいくつものトレンドが現れ、トレンドフォローと言うように平均線は価格動を追尾するように描かれてゆきますが、線形回帰では、例えば設定期間が日足一年分ならその一年間のトータルなトレンドが一本の単調な直線で一つの意味のないトレンドとして描かれます。
つまりこの線に価格を追尾させるには、一年の価格変動を任意に意味のあるところで分割して、それぞれの場面に自分の裁量でサンプル範囲を設定して線形回帰線を描いてゆく必要があるわけです。
このサンプル範囲つまり計算開始位置と計算終了位置と言う期間の設定は、ジグザグの感度設定やトレンドラインの期間設定などを行う際に求められる選択と同様に厳密には経験や相場観が必要なものです。
線形回帰のバラついた(期間内の)終値群の中心を通る直線と言うことの意味は、期間内のすべての終値から見た(直線との)距離の合計が最も少ない直線、言い換えれば、期間内のすべての終値からの平均距離が最も小さいと言う条件で引かれた直線と言う事になります。
回帰直線はバラつきの中心を通る直線で表現されているで、選択した期間全体の相場の方向性やトレンドが数学的な意味を伴って描かれると言う事になります。
期間の設定、つまりサンプルの範囲設定が正しくおこなわれていてそこに統計学的な意味がある場合、線形回帰トレンドの標準偏差で引かれた線は逆張りの過熱感のラインと見る見方や、あるいはサポートラインやレジスタンスラインの代用としてブレイクによるトレンドの見極めなどに、より有効で意味を持ったものになります。
線形回帰トレンド=a+bx
b=(i-平均日数)×(i日目の終値-平均値)の合計÷(i-平均日数)2乗の合計
a=終値平均値-bX日数平均値
線形回帰分析をトレードに応用する場合「線形回帰トレンド」と言う指標の形にして用います。
線形回帰トレンドは中心線の上下に標準偏差のラインを引いてバラツキと収束をみると言うもので、バンド系指標と同様の使い方をします。
つまりトレンドが一定の勢い以内の場合は逆張り指標、勢いが強く標準偏差ラインをブレイクするようであれば強いトレンドの発生と見て、順張り指標としてラインへの接近やブレイクを持ってエントリーすると言う方法です。
線形回帰トレンドの計算にはサンプルの範囲を自分の裁量で設定すると言う事が必要です。
つまり相場観や価格動に対する洞察力が必要と言う事です。
これは価格のバラツキの中に一定の意味を感じ取れる程度の経験が必要であると言う事であり、また有効な範囲を決定できるだけの知識が必要と言う事です。
線形回帰トレンドを有効に使いこなすにはこうした技量を磨くことがだいじです。
「回帰」と言う考えはイギリスの遺伝学者F.ゴールトン(1822-1911)の発案によるもので、身長の高い父親の息子は、父親に似て身長が高いはずであると言う仮定を統計学的に調査したところ、一般に言われるような相関関係は顕著なものとしては認められず、サンプル全体としての子供の身長傾向は親の身長傾向とは無関係に一般平均に回帰する傾向が強いと言う事実の発見から導かれたものです。
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