テクニカル分析スキル集「究極のオシレータMACD」
ダマシの軽減のために長期、中期、短期の三種類の計算期間の異なるオシレータを合併した定番のインジケーター。
(英)The Ultimate Oscillator
ラリー・ウィリアムズ(Larry Williams)によって開発されたオシレーター系指標で、ネーミングは(たぶん和訳が)ものすごいことになっていますが、ちなみに私が翻訳すれば「この辺が(ラリーウィリアムズ流)オシレータの改造の限界かな…?的オシレーター」となります。
オシレーターは計算の期間を任意に設定して、その期間の値幅に対する直近値の位置やポテンシャルを見るものですが、直近値が設定した期間の値幅内に収まる動きであればあるほどオシレーターとしての威力を発揮するのに対して、直近値が設定期間の値幅に収まりきらない動きを始めると計算不能になって張り付きと言った不具合やダマシが多発します。
つまり、オシレータは設定期間を短くすると反応は良いのですが、直近値が期間の値幅に収まらない可能性が高くなりダマシなどが出やすくなるし、逆にその期間を長く取れば設定期間の値幅が大きくなりすぎて、有効なシグナルを発するゾーンにうまく直近値がフィットしにくくなると言う構造上の宿命を持っています。
その意味ではその時々の直近値に対して最も適正な相場の期間・値幅を有効に検出できるしくみを別に持っていて、その「別の仕組み」で割り出した計算結果をオシレータの設定期間として動的に変化させることができれば、ある意味究極のオシレータが作れるかもしれないわけです。
もしくは、いわゆる「張り付き」を検出する仕組みを別に設けて、この「張り付き」が起きた場合にはトレンドフォロー的な要素を加味した仕組みに切り替えるような方法でも究極のオシレータと言えるかもしれません。
理想を言えば自動的に設定期間や設定内容を変化させて相場のリアルタイムな状況を指標に反映できれば良いわけですが、シンプルを旨とするテクニカル分析では、通常はそうした複雑な方法は用いませんし、未発表のものはわかりませんが、そうした対応がとられた形跡はないように見受けられます。
ラリー・ウィリアムズの方法はこの点を(自動切り替えなどの)複雑な方法をもちいることなく、テクニカル分析らしいシンプルなやり方でクリアしようとしています。
これは「それなら最初からサイクルの異なる三つの計算期間をオシレータに仕込んでしまおう」というもので、移動平均期間として有効とされる7日、14日、28日の3つの特徴的なサイクルの値幅を加重平均で平均化した値を用いると言うかなりシンプルな方法で、相場の多様なサイクルのバリエーションにできるだけ有利に対応しようとしたものです。
三つの期間の値幅を加重平均することで、オシレータの設定サイクルによる不具合を少しでもカバーして汎用性を高め、相場に対応しようとする「意図そのもの」がこのユニークな名前の由来だと思われます。
BP=終値-TL
終値が直近トゥルーローに対してどの位置にあるかを求め、それをトゥルーレンジで割ると言う方法で期間の違う三種の騰落率を求めます。
SR=7日間のBPの合計÷7日間のTRの合計
MR=14日間のBPの合計÷14日間のTRの合計
LR=28日間のBPの合計÷28日間のTRの合計
これを期間の短い順に加重をかけて百分率にします。
UO={(SR×4+MR×2+LR×1)÷(4+2+1)}×100
BPは直近安値に対する買い圧力(Buying Pressure)です。
売り圧力(Selling Pressure)はSP=TH-終値で求めます。
TLはトゥルーロー、つまり昨日の終値と当日の安値を比較して値の小さいほうです。
THはトゥルーハイ、つまり昨日の終値と当日の高値を比較して値の大きいほうです。
TRはトゥルーレンジ、つまり、当日高値-当日安値、当日高値-前日終値、前日終値-当日安値のうちの最大の値です。
アルティメットの特徴は逆行(ダイバージェンス)をシグナルの判断にしている点です。
これは三種の計算期間をもつことで、RSIやストキャスティクスよりもはっきりとした逆行が捉えられる傾向に着目して応用されたものです。
買いの場合は30%以下、売りの場合は50%以上で起きた逆行現象がそれぞれのシグナルとなります。
[ 仕掛 ]
UOチャートの谷と谷を繋いだ線で逆行現象を観察・確認し、その谷と谷の間の期間のUOチャートに現れた一番高い山の頂上をUOが上回ったタイミングが買いシグナルです。
[ 返済 ]
UOが70%以上になったら利食いの目安です。
UOが35%以下になったらロスカットの目安です。
[ 仕掛 ]
UOチャートの山と山を繋いだ線で逆行現象を観察・確認し、その山と山の間の期間のUOチャートに現れた一番低い谷の底をUOが下回ったタイミングが売りシグナルです。
[ 返済 ]
UOが30%以下になったらの利食いの目安です。
UOが65%を超えたらロスカットの目安です。
RSIやストキャスティクスなどと比べると、シグナルの発生頻度がかなり低いようです。
このため、ロジックの組み立てに当たってはパフォーマンスより勝率を重視する方が精神的な意味では長く付き合えます。
DL倶楽部の「定番テクニカル計算式 ファイル一覧」などのリンクページから各種テクニカル分析のエクセル計算ファイルをダウンロードできます。
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