テクニカル分析スキル集「平均足」
四本値を平滑化することでローソク足のトレンド視覚性を明確化した定番のインジケーター。
(英)HEIKEN
HEIKEN と言うお約束どおりにザックリ外れた英語表記から想像できるように大正時代の実業家でもあった日本の相場師によって考案された手法とされています。
日本人特有のテクニカル分析のテイストが感じられる株価平均によるトレンド検出手法で、テクニカル指標には珍しく非常に明確な目的と客観的な論理で作られたものです。
単純な構造ながら、きわめて完成度の高い(他のものに比較してと言う意味で)トレンド系テクニカル指標の一つと言えます。
ユニークなのは終値の平均値ではなくローソク足のローソク実体部分の陰陽を平滑化されたデザインで描こうとする点で、他に類を見ない発想です。
つまりローソク足自体を解体して再合成すると言う(ローソク足の考え方にとって)一見無謀に思えることを、ローソク足を熟知した発想で行っています。
独自の平均化された始値・終値を基の値と置き換えて並べることで(ローソク足の合成)陽線・陰線の描くビジュアル自体を平均化しており、一目でトレンドを把握できるように工夫されています。
更に、高値・安値はそのまま転記することで、原則としてローソク足のシグナルの読み方がそのまま踏襲できるようにも工夫されています。
但しロジックの性格上、急上昇あるいは急激な下降が起きた場合、(計算結果である)始値や終値が(実値である)高値・安値よりも外側に(連続して)ハミダシテしまうケースがあり、これに十分注意して視覚イメージを持たないと(感覚的に)ボラティリティやローソクに対するフィーリングを誤ってしまう可能性があります。
ついつい実値のローソクを見ているような一種のこの錯覚が初心者の犯しやすい誤解です。
上ヒゲもしくは下ヒゲがなく、実体の長いコマ足の連続は「高値・安値が実体の内側にある」可能性を織り込んで判断すると言う配慮が必要です。
平均足始値=(前日の平均足始値+前日の平均足終値)÷ 2
平均足高値= 当日の高値
平均足安値= 当日の安値
平均足終値=(当日の始値+当日の高値+当日の安値+当日の終値)÷ 4
平均足の始値は前日の平均足実体の中間、平均足の終値は当日の四本値の平均値になります。
最初の一本目は前日(前回)の平均足が存在しないため、始値の計算が便宜的なものになります。
最初の足 | 2本目以降 | |
始値 | (前日始値+前日高値+前日安値+前日終値)÷ 4 | (前日の平均足始値+前日の平均足終値)÷ 2 |
高値 | 当日の高値 | 当日の高値 |
安値 | 当日の安値 | 当日の安値 |
終値 | (当日始値+当日高値+当日安値+当日終値)÷ 4 | (当日始値+当日高値+当日安値+当日終値)÷ 4 |
他の指標と組み合わせてトレンドを視覚的、感覚的に捉える場合に最大の威力を発揮する指標ですが、もちろん単独でシグナルを読み取ることも出来ます。
ビジュアル重視の指標であるため、平均足自体の開発思想を生かしつつ他の指標とのハイブリッド化を行おうとすると工夫がいります。
長期の平均を用いないように見えますが、平均足始値の部分に平滑化移動平均のように過去の値が累積反映されてゆきます。
平均足終値は最新の市況を反映すると言う意味では、平均足始値に象徴される累積平均値に現在の直近の事情を対比させて見ると言う仕組みになっています。
従って平均足始値の過去平均値算出法や平均足終値の前日平均値算出法の置き換えが可能です。
改良形や変形(バリエーション)の平均足では実践では有効に機能するとされるものもありますが、コンセプトと言う意味では平均足のそれを超えたものはまだ現れていないと思われます。
トレンドをビジュアル化すると言う意味ではいくつか優れたものが見受けられます。
平均足の改良形は平均足を更に平均して平滑化するようなものが普通ですが、以下はORANGE2が開発し、シグナル発生に利用している平均足の参照版原型です。
DL倶楽部の「定番テクニカル計算式 ファイル一覧」などのリンクページから各種テクニカル分析のエクセル計算ファイルをダウンロードできます。
日経平均 | 31524.22(+376.21) |
TOPIX | 2182.70(+33.41) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 33061.57(+153.30) |
S&P500 | 4221.02(+41.19) |
NASDAQ | 13100.98(+165.69) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7524.18(+33.91) |
ハンセン | 18955.99(+739.08) |
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