NTスリッページとザラバ注文 理解のための基本五要

スリッページ

スリッページは滑ると言う意味で、取引中に成行注文を執行した対象価格と実際に約定した価格との間に起こる差額のことです。

例えば日経225先物で現在価格が14000円の時に成行注文を出した場合、売り注文なら13990円、買い注文なら14010円と言った具合に約定価格は10円程度不利な側に滑ります。
これは売り気配、買い気配それぞれで待ち受けている注文が、通常は現在価格に比べて注文に対し不利な側にあるために起こる現象です。

通常は大体10円、つまりラージ一枚で10000円程度の誤差があります。
これがNTトレードでは225先物とTOPIX先物を同時に売り買いするために一度に一枚あたり20円程度のスリッページを見ておく必要があります。

また、仕掛け・仕舞いの両方では35円~40円程度、つまりラージ一枚のペアあたり40000円前後ほどものロスがでる可能性がありこの点はNTトレードをする上での大きな問題です。

日経225ミニ
売気配枚数 気配値 買気配枚数
1243 20
1124 15
1345 10
1338 5
1130 0
-5 211
-15 1259
-20 1495
-25 2345
-30 1320
TOPIX先物
売気配枚数 気配値 買気配枚数
74 2
24 1.5
34 1
33 0.5
113 0
-0.5 121
-1 159
-1.5 49
-2 45
-2.5 12
これはある日のある時間の日経225先物とTOPIX先物の気配を並べたものですが、成行注文を出した場合、板の薄いところ(気配値枚数の極端に少ない価格帯)はタイミングでその前後の厚いところにすべる可能性が大きいと考えられます。
通常成行注文が1ティック程度すべるとしても、その場合板が薄ければ上下の不利な側の価格帯にすべる場合がほとんどです。

デイトレードでの利益の期待値

一枚ペアの一トレードあたり40円のスリッページがあるとして具体的な売買を少し考えてみます。

ある日の日経225先物単独の価格レンジが上下200円動くと仮定して、その場合NT鞘(日経225先物 - TOPIX先物×10)の変動は225先物やTOPIX先物のそれと比べてずっと小さくなって70円から120円程度になります。
この小さなNTのレンジのうち実際に売買ロジックで狙える利益の幅がレンジの60%とすれば、その利益の期待値は40円から70円ほどです。

もちろん変動が小さければさらにこの期待益はもっと小さくなります。
こうに考えるとNTをザラバの成行で注文し利益を得ることの難しさがわかると思います。

ペアトレードの指値注文

では指値注文はどうでしょう。
指値での注文は成行のようにほぼ同時に約定することはまず期待できません。

鞘取引においては片側の注文がのこることは非常に危険です。

NTペアトレードのように売りと買いを両建てして始めて意味のあるポジションの場合、片一方しか約定しないと言うことは、意図しない方向に意図しない玉を残したと言うことになるからです。

寄り引けトレード

例えば現在値が日経225先物・14630円、TOPIX先物・1196.5ポイントで、NT鞘は2665円の場合、ロジック上この価格での仕掛けシグナルが出たとした場合、ロングポジション(N買いT売り)でザラバ中にこの価格を狙うとすれば、(20円のスリページを見て)NT鞘が2645円以下の時、逆にショートポジション(N売りT買い)で狙うなら2685円以上の時点を待って注文を出さなければなりません。
このような方法は大手証券会社の運用部などでは大型のコンピュータを使って行われているとも聞きますが、普通はザラバでシグナルどおりの注文を実行するためのロジックは非常に複雑なプロセスと検証を要するものであるため、一般の投資家が行うためには現実的な方法とは言えないかもしれません。

そこで、一般なNTトレードでは「寄り引けトレード」と言う方法が用いられます。
NTペアトレードではロジック検証の可能なトレードを組み立てるには「寄り引けトレード」が基本になり、ザラバで注文する方が効率の良いロジックの場合には注文方法やタイミングに工夫が必要です。



  ⇒ 寄り引けトレード

「寄り引けトレード」は「デイトレード」の手法で寄りで仕掛けて引けで仕舞うと言うスタイルです。
この方法なら、仕掛けと仕舞いで検証が可能なNTスプレッドが発生します。
良く見るNTペアトレードではオーバーナイトと組み合わせて、寄りでオーバーナイト分をしまうと同時にデイトレード分を仕掛け、引けでそのデイトレード分をしまうと同時に、オーバーナイト分を仕掛けると言う方法です。

  ポイント

二つの金融商品を同時に売買するために、スリッページや利益の期待値を考慮してザラバ注文を避けて寄り引けで注文すると言うのが情報商材に多く見られるNTペアトレードのポジショニングのスタイルです。

しかし、最近はバンド系の指標を使った新しい方法もあり、中にはザラバで注文を出すものもあります。
疑似裁定と言う意味から言えば、後者のスタイルの方がNTペアトレードの本来の姿に近いものですが、ザラバで有効なポジションを取るには、今度は利益の期待値がそれなりのものでなければならないと言う点を考慮したロジックが必要になるわけです。



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