鞘取りトレードの基本、「225とTOPIXを使った鞘取り」
同じような値動きの二種類の金融商品を使った疑似裁定。
NT裁定トレードは225先物とTOPIX先物の両方にポジションを建てるサヤ取引です。裁定とは二つの金融商品の価格差に一定の開きが出た場合、それが理論的には元の状態に収束するような状態をいいます。
その意味では225先物とTOPIX先物の組み合わせは「裁定取引」にはなりえない関係にありますが、この両者の値動きが非常に似通ったものであることからその点に目を付けてペアトレードを行うトレーダーが「裁定」的な動きを期待して名付けたものと思われます。
NT倍率とは日経225をTOPIXで割ったもので、両者の相関を表す指標として用いられるものです。
NIKKEI225のNとTOPIXのTから付けられた名称です。
NYダウ平均と日経平均を用いたNN倍率や、NYダウとSP500のNS倍率など、二つの指標の倍率で市場のバイアスを見ようとする幾つかの方法のひとつで、特にNT倍率は投資家の間で広く用いられているものです。
指標としてのNT倍率は日経平均株価(日経225指標)を東証株価指数(TOPIX指標)で除算した(割った)値を指しますが、NT倍率と言われるものはもう一つ、日経225先物の価格とTOPIX先物の価格の比率を用いるものがあり、NTペアトレードで用いられる倍率です。
一方、NTサヤあるいはNTスプレッドと呼ばれる価格差の動きを指すサヤの尺度もあります。
NTスプレッドは、日経225先物の価格からTOPIX先物価格×10を引いたもので、こちらは両先物の事実上の取引価格の差です。
直近数本程度の平均などを参照して現在の水準と比較する場合は、NTスプレッド出の比較の方が精度が良く、数十本と言う単位の平均値と現在水準を比較する場合は倍率が圧倒的に制度が良くなります。
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NT倍率を使ったトレードの代表的なものは日経225先物とTOPIX先物の両方のポジションを「売りと・買い」あるいは「買いと売り」で同時に持つNTペアトレードと呼ばれる投資法です。
トレードでは普通は両者の先物を使うためNT倍率も日経225先物÷TOPIX先物で求められるものを用います。
簡単に言えば日経225先物投資売買とTOPIX先物投資売買を一度に、そして同時に、しかも反対のポジションで行うトレードと言うことです。
適性と思われる両者の価格差に対して225先物が相対的に低くTOPIX先物が想定的に高いと判断できる場合、225先物を買いTOPIX先物を売ることで、両者が適正値に値がづけば、225先物はTOPIX先物に対して相対的には上昇し、TOPIX先物は225先物に対して相対的には下降するはずなので利益がでると言うのがペアトレードの考え方です。
例えばペアトレードを普通の225先物だけを取引するような場合と比較してみると、証拠金あたりの利益は小さい、手数料が倍必要、注文が複雑なためミスのないようにトレードを行う注意が必要・・などなど不利な点がいくつもあります。
しかし、良く似た動きをする二つの商品を常に逆のポジションで持つと言うことは、災害や恐慌時の大暴落に対して、自動的に一定のリスク管理を行っていることになります。
あくまでも理論上の話ですが、225先物を買い、TOPIX先物を売りのポジションでそれぞれ保有している場合、大暴落が起これば225先物の買いポジションは大損失をこうむりますが、その一方でTOPIX先物の売りポジションは場合によっては225先物の損失を上回る大利益を生む可能性もあります。
「225アービトラージ」などと言われますが、これは225の裁定取引と言う意味です。
これは日経225先物と現物の225種の株式を225先物と同じ比率で売買できるようなバスケット商品で両者がサヤになるようなポジショニングでペアトレードを行うものです。
つまり一般の投資家には無理ですが、資金にものを言わせられる人が225先物と225現物で鞘取引を行う状態です。
225先物は225現物(日経225種平均株価)を価格の根拠としており、これは限月の清算の際に価格一致すると言う事になっています。
そのため225現物と225先物の間に一定の乖離が起こると限月に向けて収束すると言う原理があるわけで、このカラクリを利用することで、確実な利益を期待できます。
アービトラージ(裁定トレード)とはこうした「金持ちは儲かる」的なトレードであって、実はNTペアトレードにはこのトレードの限月に相当するような価格一致がないためにアービトラージとは言えないわけです。
日経225先物(青線)と日経225現物(赤線)の併描チャート
アービトラージは「世界三大利殖法」の一つと言われています。
世界三大利殖法はそれぞれに成功確率の高い方法であるとされています。
NTペアトレードを「世界三大利殖術」や「アービトラージ」そのもののように印象付けた金融情報商材もありますが、NTペアトレードは「世界三大利殖術」とは直接関係はありません。
NT倍率を用いたペアトレードはよく「NT裁定取引」などと呼ばれていますが、先に述べているように、この組み合わせには先物と現物で行う裁定取引「225アービトラージ」のような客観的・理論的な手法としての優位性はないので、実際には裁定取引ではないわけです。
但し、ほぼ同じ方向に動いているNT両商品の価格差には適正な状態とイレギュラーな状態が繰り返し訪れている可能性があり、この適正値とイレギュラー値との関係がわかれば疑似的な裁定取引を行える可能性はあるわけです。
NT倍率を使った方法は実はプロの機関投資家の間でも広く行われていると聞きますが、彼らのエントリーはよほどはっきりした乖離が確認できる時のみ行うものであって、よくある一般投資家向けの情報投資商材のようにNT倍率を毎日あるいはかなり頻繁なサイクルでスイングトレードを行うよううなたぐいのものではありません。
このプロの行っている「チャンスを絞った投資スタイル」に正しいNT倍率投資法(疑似裁定)のヒントがあります。
日経平均 | 32402.41(-168.62) |
TOPIX | 2376.27(-7.14) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 33963.84(-106.58) |
S&P500 | 4320.06(-9.94) |
NASDAQ | 13211.80(-12.17) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7683.91(+5.29) |
ハンセン | 18057.45(+402.04) |
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