テクニカル分析スキル集「線形回帰トレンド」
値動きのバラつきの線形回帰直線を元にして上下ラインを求めたバンド系のインジケーター。
(英)The Linear Regression Trend
線形回帰トレンドは一定期間の価格のバラツキに対して、標準誤差と言う統計の考え方を使って、中心となる直線を引き、この直線との乖離を見て直線側に回帰する確率を判断する指標です。
線形回帰トレンドで引かれる直線はすべての「バラツキ」つまりサンプルとなる価格データから一番近いところを通る直線と定義できます。
式の理解には統計の知識が必要ですし、エクセルでは便利な専用の関数もあるので、詳しい説明を知りたい人はネットで調べてください。
ここで言う「線形(リニア)」は「一直線形」のことで、これは文字通りトレンドの向きを直線で表わすということです。
データのバラツキの中心値を直線にしたもの、つまりバラツキの回帰値を中心線として求めます。
この線に計算期間のデータのバラツキの標準誤差を加算・減算してバンドを引きます。
線形回帰トレンド=a+bx
b=(i-平均日数)×(i日目の終値-平均値)の合計÷(i-平均日数)2乗の合計
a=終値平均値-bX日数平均値
上部バンド① 回帰直線に計算期間内の標準誤差を加算して描く。
上部バンド② 回帰直線に計算期間内の標準誤差を二倍したものを加算して描く。
下部バンド① 回帰直線に計算期間内の標準誤差を減算して描く。
下部バンド② 回帰直線に計算期間内の標準誤差を二倍したものを減算して描く。
線形回帰トレンドの指標は中心線に標準誤差を加減した線、更に標準誤差を二倍にしたものを加減した線の五本の直線で描かれます。
線形回帰トレンドではトレンドの向きが一直線に表わされますが、この直線とその周囲の価格のバラツキ方からトレンドの方向と勢いを見ることが出来ます。
トレンドは直線の傾きで見る場合とは別に、小トレンドを中心線の上抜き下抜きで判断する見方があります。
また、上下とも外側のバンドに接近すると統計学的には反転傾向とみなすことが出来ます。
トレードでは、外側バンド近辺の反転傾向を利用して、外側のバンドをブレイクしたら逆張りのポジションを建てて内側のバンドを割り込んだら仕舞うと言った使い方が基本ですが、四本のバンドの位置をそれぞれ定義づけて細かなトレードに使ったり、更にバンドを加えてそれぞれ定義を付けて、定義に従って順張りと逆張りを使い分けて使う場合もあります。
線形回帰トレンドは、他のバンド系指標と違って、一本の直線で中心線あるいは回帰線を引きます。
このため、直線にバラツキを収束させる期間の設定が必要です。
もし、この期間設定をしなかったとすればすべてのデータが一本の直線の周囲にバラツキを形成する…、つまり、すべてのデータが一方行のトレンドとして表わされて、途中のトレンドの変化が無視された状態になります。
そこで、裁量でチャートを見ながら相場の変化に応じて任意の期間を定めてその期間ごとの線形回帰トレンドのラインを何本も引いてゆくと言う作業が必要になります。
この点がボリンジャーバンドとは異なり、統計的な意味を持っています。
ちなみにボリンジャーバンドの特異値はその構造上、ボックス相場以外ではあまり統計的な意味を持っていません。
DL倶楽部の「バンド系指標計算式 ファイル一覧」などのリンクページから各種テクニカル分析のエクセル計算ファイルをダウンロードできます。
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