テクニカル分析スキル集「エンベロープ」
定幅の上下ラインで値動きの位置感覚と視覚化を高めようとしたバンド系のインジケーター。
(英)The Envelope Channels
エンベロープは移動平均とその移動平均から一定の乖離率で上下にバンドを描くものです。
通常バンドには上下二組から五組程度の複数のラインが用いられます。
また、それらはそれぞれ移動平均線と一定の距離で描かれるため、移動平均線とまったく同じ波の形で描かれます。
エンベロープと言う名称自体はある形状の外側の覆い状のものや入れもの、包みなどを意味し、値動きの外側に輪郭線のように引かれたラインと言った意味で名付けられたものです。
基準線となる移動平均線を求め、その上下2本ずつの線を描く合計5本の線で構成します。
移動平均は単純移動平均以外のものを用いる場合もあります。
CENTER LINE = n日移動平均
UPPER BAND2 = CENTER LINE × (1 + i ÷ 100)
UPPER BAND1 = CENTER LINE × (1 + 2 × i÷100)
LOWER BAND1 = CENTER LINE × (1 + 2 × (-i) ÷ 100)
LOWER BAND2 = CENTER LINE × (1 + (-i) ÷ 100)
n、iは任意で定めるものですが、nは25、iは3あるいは5が良く使われます。
値動きは移動平均線を挟むような動きをみせ、一定幅の乖離があるとまた移動平均線と接近する傾向があります。
接近すれば移動平均線とクロスして反対側に進捗するのと同様に、移動平均線と乖離しっぱなしと言うこともありません。
この平均線との乖離と接近の度合を計れば、次の値動きをある程度予測できると言う考えから「移動平均乖離率」などのインジケータが用いられていますが、エンベロープも移動平均線と値動きの乖離を見る指標として用いるものです。
エンベロープでは移動平均線の上下に引かれるバンドの間隔とバンドの数を相場に合わせて任意に設定し、値動きが何番目のバンドと何番目のバンドの間にあるかで、価格と移動平均との乖離率あるいは乖離幅を計って価格の向きやトレンドの勢いを予想します。
設定は値動きを見てその中心を移動平均線が通るイメージで移動平均のサンプル数(日数など)を決めたうえで、値動きの尺度となるようにバンドの間隔を決めます。
各バンドはあるラインを超えたら乖離してゆく、あるいはあるラインを超えたら接近に転ずると言った傾向を見せるため、それを見極めてそれぞれのラインの意味を任意に定義します。
そして、その定義を用いてエントリーとエグジットのタイミングを決めてゆきます。
例えば、一番近いラインを超えたらエントリーのシグナルで二番目のラインでエグジット、あるいは一番外側のラインを超えたら約張りのシグナルでその一つ内側のラインまで戻したらエグジットと言う具合に売買のタイミングを提議して用います。
エンベロープにはトレンドがとても強い勢の場合、バンドと値動きの相対位置関係があまり変化せず、価格動の状態を感知しないと言う問題があります。
移動平均線との乖離、接近は移動平均線が一定位置にあって、値動きがそれに対して接近したり乖離したりしていると言う訳ではありません。
両者の相関がそのように見えているだけです。
つまり、強いトレンドが出ている場合などでは、価格の方からは特に移動平均線側に接近してなくても、移動平均線の方が値動き側に伸びているために接近しているように見えていることもあります。
そう言う場合にはエグジットの定義水準がほぼ機能しないと言う事も多々あります。
DL倶楽部の「バンド系指標計算式 ファイル一覧」などのリンクページから各種テクニカル分析のエクセル計算ファイルをダウンロードできます。
日経平均 | 27459.77(+514.10) |
TOPIX | 1961.61(+32.31) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 32560.60(+316.02) |
S&P500 | 4002.87(+51.30) |
NASDAQ | 11860.10(+184.57) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7536.22(+132.37) |
ハンセン | 19643.05(+384.29) |
深夜にメンテナンスをしています。
※少しの間、一部に不具合が続くことがあります。