バンド系指標と言えば以前は逆張りのテクニカルインジケータとして注目されていましたが、実践使用の難しさから、今では売買指示より過熱感や変則的値動きを視覚的に理解するめの分析ツールとして使われるようになっています。
バンド系指標は値動き分析ツールとして、今も多くのアナリストや投資家に参照されています。
テクニカル分析では未来の価格の動きを予想することが大きな目的ですが、その中には価格の動きの範囲を予想すると言うものがあります。
「今の値動きなら何円から何円の間の動きになるはずだ」と言った予想です。
そうした値幅のガイドに用いられる方法の一つにジョンボリンジャーのボリンジャーバンドなどで有名なバンド形指標と言うものがあります。
これは、予想される価格の動きの上下に限界予測値をバンド(帯)状に引くものです。
バンドの中心線には移動平均値を用いるのが一般的ですが、中にはワイルダーのピボットのような、直近価格や現在価格を基準とするものもあります。
価格の動きを見ているとある一定の価格ゾーンまで下落すると同じような位置で反転するような傾向が見られます。
また、逆にある価格ゾーンに到達するとあたかもそこが限界のように息切れし、再び下落の後に上昇するも、また同じような価格で立ち往生したり、反落するようなポイントが見受けられることがあります。
これらのうち上昇を抑制するかのように見えるラインを抵抗線、下落を支えようとしているかのように見えるラインを支持線と言います。
支持線や抵抗線は市場の心理的な反発や警戒感などで形成されるものと思われますが、値動きには市場に警戒感をもたらすようなムードによる極端な動きが多々みられます。
ここで言うムードとは市場全体が買い一色だからこの流れに乗り遅れてはまずい、とか、一斉に売りに入ったようだからここで売っておかないと危険である、と言った憶測がたいした根拠もなく一人歩きして勝手に広がってゆくような状態のことです。
こうしたムードから価格が実体の適正価格を逸脱してゆく状況を過熱感と呼びます。
バンド系指標では市場心理による価格の変動や乖離は大きな流ればかりではなく細かい価格の動きの中にもよく見られるもので、その多くはやがて適正値に収束すると考えます。
そうした行き過ぎの価格を検出し、反転を予測して人より一歩先に手を打つと言うのが逆張りと言う投資手法です。
この逆張りの反対の状態は順張りと言いこれは市場の向き、価格の向きに素直に従って売買をする状態を言います。
大阪米相場などの伝説の相場師は人の逆を張って儲けたと言うような話も多く、そうした方法を研究する投資家も多いのですが、逆張りの見極めには熟練した相場観が必要で、また、テクニカルだけで逆張りのポイントを有効に検出するのは難しく、それなりに経験などが必要です。
抵抗ラインや支持ラインは市場心理が作るもので、経験によってそれを見極めるのが普通の方法ですが、バンド系指標はそれをテクニカル指標で表わそうとするものなので、それだけでシグナルを出すタイプのものには注意と配慮がいります。
バンド系の指標では基準となる価格ラインの上下に複数のラインを引きそれぞれが過熱感の警戒ラインや抵抗線・支持線などを視覚化します。
ただし、逆張りのポイントを見つけると言った使い方はほとんど神話的な用法で、実際には利食いや損切りの見極めの参考程度と言う使い方が実践的です。
実際の相場では上方バンドを突き抜けたら買い、下方バンドを下抜いたら売りと言うような場面も多々あります。
ジョンボリンジャーもそう言う事を言い出したようですし、こうしたシンプルな指標は人気の高い反面、単純な思い込みトレードを誘う傾向があります。
ともあれ、バンド系の指標では基準線の上下に引かれた幾本かの線と価格の位置関係から、少なくともその後の価格の傾向やポテンシャルを理解することはできると思います。
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