オプション基礎ノウハウ「プレミアム料」
オプションの時価を決める要素、プレミアム料について解りやすく紹介。
プレミアムとは、オプションを「売方」と「買方」で売り買いする際の値段のことでオプション価格とも呼ばれます。
オプションを保険に例えれば保険料に相当します。
プレミアムは権利料と言う意味ですが、英語では保険の掛け金もプレミアムと呼ばれます。
例えば保険の場合そのリスクの出現率や保証の大きさによって保険料が決まりますが、オプション価格も同様に現在の日経平均株価と期日である限月までの残り時間などを基準にして「売方」「買方」の利害を反映した専用の計算式で算出されます。
オプションの場合日経平均株価の変動や、期日までの日数が概ね1~2ヶ月以内と言うこともあって保険料と違いプレミアムはそのおかれた市場の損益要員に応じて刻々と変化します。
すでに買ったプレミアムの買った時の値段に対して現在そのプレミアム(権利)を他人に転売しようとする場合の価値が刻々と変化していると言う意味です。
プレミアムは「本質的価値」と呼ばれる現時点でどれくらいの転売価値を持っているか、と言う要素と「時間価値」と呼ばれる今後、どれくらいの利益が得られる可能性を秘めているのかと言う要素の2点で決められます。
プレミアム(オプション価格) = 本質的価値 + 時間価値
本質的価値とは、行使価格と市場価格の差額のことで、行使価格が市場価格に比べてどれだけ有利(あるいは不利)になっているのかの価値です。
例えば、行使価格9010円のコールオプションを持ってるとして、現在の日経平均株価が9010円であるとすれば、そのオプションを今すぐ行使した場合に、9010円 - 9000円 = 10円 の利益が得られます。
このオプションには、現時点で10円の本質的価値があると言うことです。
時間価値とは、将来値上がりすると言う期待値から求められた潜在的価値です。
オプションの期限である限月までの間にオプションによっては日経平均株価が現在の価値より有利に動く可能性もあります。
今の日経平均株価が9010円で、行使価格9000円のコールプションを持っている場合、もしも限月と言う将来の姿を見ることが出来て、その結果日経平均株価が9030円に値上がりしていたなら、今のプレミアムには本質的価値以上の30円(9030円-9000円)の利益が潜在的にあることになります。
限月までの間に、利益が20円(9030円-9010円=20円)増えるわけで、このオプションは、今時点で将来的な価値として20円の価値を持っていることになります。
もちろん現時点では、その商品が将来いくらに値上がりするかはわかりませんが、オプションでは複雑な計算式でその予測値を算出してプレミアムに反映します。
この将来に値上がりするかもしれないという期待に対して決められた価値のことを時間価値と呼んでいます。
もし、本質的価値が10円のオプションの現在のプレミアムが証券会社のサイトなどで30円と発表されていたら、その内の20円は時価価値です。
例えば現在本質的価値の全くないプレミアムを考えればわかりやすいかもしれません。
現在価値がないからと言って、一定のトレンドに進んでいるオプションなら経験上将来十分利益の見込めるもの多数存在します。
もし本質的価値だけでプレミアムを売り買いするとなるとそうした潜在的期待値の高いオプションをすべてタダで売らなければならないと言う矛盾した現象になってしまって、それではオプション取引が成立しないことになります。
そこで時間価値と言う将来的な潜在価値の下駄をはかせることで実際の売買で違和感のないプレミアムにしているのです。
アット・ザ・マネー(日経平均株価と行使価格が同じでオプション行使の価値が0の状態)やアウト・オブ・ザ・マネー(オプション行使の価値がまだマイナスの状態)のオプションのプレミアム価格は、時間価値のみで構成されています。
時間価値は限月に近づくにつれてどんどん0に向けて減衰してゆきます。
残り時間が少ないと言うことは期待できる将来像も萎むからです。
その0へと向かう減衰率は時間経過とともにだんだんと大きくなってゆき、一定の残り日数を切ると極端な減衰となってゆき、ついに限月(将来のない日)には時間価値は0(期待消滅)になります。
プレミアムは原資産である日経平均株価の価格水準を反映します。
コール▲ | プット▼ | |
日経平均株価上昇 | 価値高上 | 価値低下 |
日経平均株価下降 | 価値低下 | 価値高上 |
プレミアムは日経平均株価(の現在値)と権利行使価格がどのくらい乖離しているかという開き具合を反映します。
コール▲ | プット▼ | |
日経平均株価<権利行使価格 | 価値低下 | 価値高上 |
日経平均株価>権利行使価格 | 価値高上 | 価値低下 |
オプションの権利は、限月(期日)に権利行使をしなければ消滅します。
プレミアムは限月までの残り時間による権利行使の可能性の高さを反映します。
コール▲ | プット▼ | |
限月までの時間が長い | 価値高上 | 価値高上 |
限月までの時間が短い | 価値低下 | 価値低下 |
プレミアムは短期金利の変化を反映します。
コール▲ | プット▼ | |
短期金利の上昇 | 価値高上 | 価値低下 |
短期金利の下落 | 価値低下 | 価値高上 |
プレミアムは日経平均株価のボラティリティ(価格変動率)の大小を反映します。
日経平均の価格が乱高下している時はボラティリティが大きく、逆に動きが少ない時には小さくなります。
ボラティリティが上昇すると値動きの振幅が大きくなり、損益の中身はいずれも大きくなるのですが、買い方の損失は限定されているのでプレミアムの価値は上がります。
コール▲ | プット▼ | |
ボラティリティー 大 | 価値高上 | 価値高上 |
ボラティリティ 小 | 価値低下 | 価値低下 |
オプションの権利行使ができるのは期日である限月だけですが、途中でオプションの権利を売ることによっていつでもオプションを対価を得て手放すことはできます。
その時に権利を手放す対価として受け取れるのが、その時点でのオプション価格です。
日経平均 | 33431.51(-55.38) |
TOPIX | 2382.52(+7.59) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 36245.50(+294.61) |
S&P500 | 4594.63(+26.83) |
NASDAQ | 14305.03(+78.81) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7529.35(+75.60) |
ハンセン | 16830.30(-212.58) |
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