ケインズ 経済論 理解のための基本五要

ケインズの経済論とは

経済ニュースの解説でよく引き合いに出される言葉に「ケインズ経済論」があります。
これはイギリスの経済学者で1936年に「雇用、利子おおび貨幣の一般理論」を発表し世界中に大きな影響を与えたジョン・メイナード・ケインズの経済論のことです。

ケインズの唱えた考え方は現在の政府による不況対策の理論的な根拠になっているとともに、これをもって評論家が現在の経済状況の見立てに引用すると言うことが繰り返し行われていることでもっとも有名な経済論の一つになっています。

公共事業

1929年、アメリカの市場大暴落が世界に拡大した大恐慌はアメリカで25パーセント、ドイツで40パーセントの失業率を記録するなど、当時の先進国が長期にわたる深刻な不況に見舞われる状況を作り出しました。
それまでの経済学の常識では、不況になると民間の自由競争による市場メカニズムが働いてやがて経済は自然に均衡を得ると考えられていました。
失業者が増えれば、その失業者同士の自由競争によって低賃金が生み出され、それによって企業は利益を得るようになって、やがて経済が循環し、ついには失業も解消されると言う考えです。
しかし実際の「大不況」による失業は、市場メカニズムにゆだねたところでいつまでも解消されないままでした。

ケインズは、この状況の解決策として金融政策(利下げ)や経済政策(公共事業)を提案しました。

ケインズの提案まで、どこの国にも赤字国債を発行してまで経済を回復させようというような考えはなく、この理論で述べられる政府がお金を使ってでも雇用を生み景気を回復さるべきだと言う新しい提案は逆転発想ともいうべき革命的でユニークなものでした。
国が復興国債を借金で発行し、その資金で行う公共事業で雇用を生み出し、これを経済の好循環の起爆剤とすると言う発想です。
またひとたび景気が回復すれば、その税収によってそれまでの借金はやがて返せると言う発想です。

この方法で経済の好循環を生み出すには公共事業で潤った人たちが更にその潤ったお金を社会に回すと言うことが前提となっていて、逆にその利益が企業や個人に溜め込まれると経済効果の波及・循環はさらに停滞してしまいます。

累進課税

公共事業の好況が利益の再分配を停滞させることの対策としてケインズは累進課税と言う方法を提案しました。
累進課税を最初に中学校で習った時、「日本は世界で最も成功した社会主義国」とか「比較的格差が少ない国」と言った論評とこの言葉が重複して、何か社会主義的な手法のようなニュアンスを感じたものですが、実は資本主義理論の経済用語だったのです。

普通の人は収入の大半が生活のために消えるのですが、富裕層なら生活費などその莫大な収入のほんの一部なので、残りの大半を更に貯めて資産を増やすことが可能です。
そこでそのような資金の停滞を防ぐために、裕福な人たちからは高い比率で税金をとり、その収入を失業対策や更なる経済対策に使うことで、その資金が更に一般消費者や失業者に循環して消費のサイクルを更に早めて活発にすると言う事になります。

利下げ

もう一つのケインズの提案である利下げも同様に資金を停滞させずに循環させる方法です。
累進課税でも傾向を述べたように、景気が悪いと更なる不安に備えて蓄えられがちな資金ですが、ここに更に利子が高いとなると預金しているだけでお金がどんどん増えてしまうため、他にその資金を回してなんとか運用しようと言う経済の循環意欲が削がれてしまいます。
一般の人の受け取る利子は少々金利が高くても生活の足しになるかどうかは微妙ですが、巨額の資金を持っている人にとっては金利が高いと、眠らせる資金も利子もそれなりに莫大なものになります。
そこで政策として金利に制限をかけることで利子配当を薄くすれば預金を活用したり、場合によっては借り入れをしてでも資金運用を考える人が増えてきます。
当然そうした投資によって経済は循環します。

ただし現在ではこうした政府による景気対策もケインズの時代よりインパクトが薄れています。
所詮市場も経済も人間の心理で動いていると言う事です。
革命的で新鮮に思えたケインズ流の景気対策も繰り返し実施される状態を目にするうちに心理的影響力を失っていると思われます。
経済の大きな原動力に「期待値」と言うものがありますが、使い古された手法ではその期待値もすでに低くなっていると言う事です。

  ポイント

ケインズの方法は大きな成功を収めた方法であり、理論的には間違ってはいないと思われますが、時代にあったインパクトの付加、市場心理を刺激する「新鮮な期待値」の工夫が必要になってきています。
相場観を養うためにはこうした現在の経済対策の意味を理解することも重要ですが、ケインズには株でかなり儲けていた投資家であったと言う側面もあります。

ケインズは「株式投資は美人投票に似ている」と述べています。
美人投票の審査員は他の審査員の目や一般大衆の目を気にするものです。

株の銘柄選びには確かに美人投票のように他人の目・他人の評価を気にしていると言う側面があります。
ケインズは株も同じで自分が好きな会社や自分が選んだ会社よりく、多くの投資家に人気のありそうな会社を選択する方が成功率が高いと言うことを言っています。

この考えは経済も相場も市場の心理が動かしていると言う思想に基づいています。



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