オプションの売り方 理解のための基本五要

利益の分岐点

オプションの「買方」がプレミアムを支払って日経225の値動きを売り買いできる権利を得るのに対して、オプションの「売方」はプレミアムを得て日経225の値動きの売り買いのリスク部分を保証する義務を負います。
つまり売方は、場合によっては過酷なリスクを引き受けるわけですから、売方にはその過酷な義務に見合っただけの優位性があらかじめ設定されています。
通常オプションの権利行使価格は初期状態では現在値にくらべて行使しにくい側に設定されています。
その現在値と権利行使価格の値幅の距離が接近するにつれてプレミアムは高くなり、逆に両者の値幅が遠ざかるに従ってプレミアムは安くなります。
権利行使価格に到達していない時点でオプションを売り買いすれば当然現在値が権利行使価格に届くまでの間は、買方の利益は発生しませんから、支払われたプレミアムはそのまま売方の利益となります。
さらに現在値が権利行使価格に届いたとしても、そこからの利益方向への動きがプレミアム料の範囲内に収まっている間は、売方は受け取れるプレミアムが現象するだけで、依然として利益は売方にあります。
つまり買方は日経平均株価が権利行使価格を有利な側に超えて、更にそれにプレミアムの値段を有利な側に加減した価格を超えて初めて利益が生まれるわけです。
日経平均株価が買方の予想ベクトルと逆に動けば売方はもちろん利益を得られますが、仮に買方の予想通りの方向に動いたとしてもその動きが一定範囲内であれば、依然として売方は利益を得ることができます。
日経平均株価にたいした動きがない場合などはもちろん売方の利益となるわけで、通常の相場の状態では確率的に売方は圧倒的に有利であると言われています。
更に、オプションの時間的価値の減衰と言う点で言ってもこの時間的価値の減衰が売方に有利に働きます。
単純に言えば、残り時間の減少は価格変動の可能性を小さくすることであり、変動が少なくなると言うことは原則として売方に有利な状況になります。
こうしたことから一説では8:2で売方が有利であるとも言われています。

複合ポジション

相場に大きな変動がなければ売方のビジネスは安定していますが、ひとたび相場に大変動があれば売方のリスクは巨大なものになる可能性があります。

そこで売方にはその想定損失をカバーするために証券会社から証拠金を求められます。
世の中には考えられないような大災害があって場合によっては保険会社がつぶれるほどの保証が求められるようなクライシスもあり得ます。

このような状況に備えて、保険会社はそれ自体が更に上位の保証機関の保険に入って保証を担保しています。

同様にオプションの売り方もクライシスに備えて保険をかけると言う考え方があります。
そのもっとも簡単なものが売方のポジション(保険会社側)を持つと同時に買方のポジション(保険加入側)も持つと言うものです。

両方を同時に持つとポジションが中立して無意味になるようにも思えますが、225先物と違ってオプションでは権利行使価格が異なる複数の商品が用意されています。
そこで現在値に近いところに権利行使価格が設定してあるオプションのプレミアム(比較的高い)を売方として受け取り、それより現在値から遠いところにあるオプションのプレミアム(比較的やすい)を支払うことで、何もない時にはそのプレミアムの差額を稼ぎ、何かあった時にはヘッジ側のオプションによる損益相殺でリスクを限定しようと言う方法が成立します。

売方(保証する側)が保険料を支払うことで利益効率はかなり悪くなりますが、それによってとめどない保障リスクに保険をかけるわけです。

バーティカル スプレッド

もっともシンプルな売方のリスクヘッジです。

「バーティカル」は垂直と言う意味で、横道にそれない同じ種類つまり、同じ限月の商品どうしの組み合わせを意味します。
これに対して限月違いの組み合わせは「ホリゾンタル」(水平)と言う言葉を用います。
また「スプレッド」は価格差や差益を意味しますが、この場合は鞘取引の鞘のことで売り買いを両建てしてその差益を狙うようなポジショニングを言います。

225オプションのヘッジに使われる組み合わせでは先に少し紹介した買方のヘッジである225先物との組み合わせの他、限月の異なる商品の組み合わせなどで安定性を確保しようとするものがありますが、単純に同じ限月の反対側のベクトルで作られた二つの商品を組み合わせると言うのがこの方法です。

つまり一言で言えばこれらは相場が上に向かっても下に向かっても損失と利益が相殺するように組み合わさっていてその組み合わせ方で有利なポジションを構成しようとするものです。

225先物では売りと買いの組み合わせは寄付きなどで同時に同値段で約定し、引けなどで同時に返済すると仮定した場合、手数料だけ取られて何も買っていないのと同じ現象になり全く意味のないポジションになるのですが、オプションには限月が同じでも権利行使価格が異なる商品が存在するのでその異なる権利行使価格を組み合わせることで理論上は一定の値ざや(スプレッド)を形成することができます。

ベアコールスプレッドとブルプットスプレッド

コールを利用する場合は「ベアコールスプレッド」、プットを利用する場合は「ブルプットスプレッド」と呼ばれます。

 ベア コール スプレッド

例えば現在の日経平均株価が10000円で、ここから下落を予想するケースでは…。
アットザマネーに近いコール(買方にとっての上昇狙い)10200円を売っておけば、売方(買方の逆が有利)なので今後日経平均株価が下降すれば利益があげられます。
ここでさらに日経平均株価の反騰に備えて、それより行使価格が250円アウト側(価格が高い側に遠い)のコール(買方の上昇狙い)10450円を(こちらでは買方-つまり損失を保証される側-にまわって)買います。

売方のコール10200円単体の場合、日経平均株価が急騰すれば損失が発生する可能性がありますが、こうして買方のコール10450円を複合して持っておけば、そのコールの値上がりにより、売り方の損失は相当程度相殺できます。
理論上の損失は250円を超えることはありません。

 ブル プット スプレッド

先の例とは逆に(日経平均株価・現在10000円で)上昇を予想するケースでの方法です。
アットザマネーに近いプット(買方にとっての下降狙い)9800円を売方として売り、日経平均株価が反落する場合に備えて、行使価格が250円アウト側(価格が低い側に遠い)のプット(買方の下降狙い)9550円を同時に買うことで先の例と同様のリスク相殺効果が期待できます。

※ベアは弱気の見立てを意味し、ベアコールは下降予想で買いポジションをヘッジすると言う意味です。
 逆にブルは強気相場の上昇想定で、売りポジションも建てておくと言うことになります。
※ブルベアとは牛と熊のことです。
 熊は立ち上がって上から熊手で相手を押さえつけるイメージで下降相場(弱気)、
 雄牛は角で下から上へ相手を突き上げるイメージで上昇相場(強気)を意味します。

  ポイント

実際のオプションのプレミアム価格は日経平均株価の動きを反映しているとはいえ、権利行使価格で設定された商品ごとに違った動きをすることがあるので、実際の運用には経験と研究が必要になります。



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