天井圏に現れたら注意すべき酒田罫線「捨て子天井」
絶望売りによる反転が近いことを暗示する足形。
「捨て子天井」は陽線主体の上昇相場で陽線に続いて「マド」を空けて十字線が出現する足形を言います。
「十字線」とは「寄り引け同値線」「同事線(同時線)」等と呼ばれるものの一種で実体部分の値幅のないものつまり寄り値と引値が同じ値を付けた罫線のうち上ヒゲと下ひげを持ち、それぞれのヒゲの長さが似たようなもの(十字形のもの)の事です。
「宵の明星」の「星」が「寄り引け同値」になったものと同様の形ですが、十字形の捨て子線を「宵の明星」に含めるような説明もあり区別の定義は曖昧です。
「同事線」や「十字線」は閑散とした相場や流動性の低い商品の相場で表れやすいものなので、流動性の高い銘柄や金融商品の相場では、「コマ足」と呼ばれる実体の短い罫線の中の極端に実体の短いものをこの「捨て子天井」含める場合もあります。
また「十字線」が「見捨てられた」ように見える「マド」は原則として二本の罫線の間でそれぞれの上ヒゲから下ヒゲまでの線形レンジが重複しないと言う事が原則ですが、ヒゲの部分が重複していても実体が同士が十分に離れていたり、ヒゲの重複が小さいものを「捨て子天井」とする図説を用いている解説書もあります。
このサイトでは「マド」は上ヒゲから下ヒゲまでレンジ間のギャップであることが基本と考えますが、流動性の高い商品では「十字線」の出現頻度が極めて低い場合もあるため、実体同士の値幅間に出来た空白が「マド」と考えられるような状況も多々ありうると言うことを意識しておく必要があります。
「コマ足」や「十字線」のような実体の短い足が直前の罫線から「マド」を空けて出現するのは、含み損のある売り玉が見捨てられた、つまり投げ出されることで買い手の思惑で約定した状況と考えられます。
このため累積した売りポジションも一定程度清算されたとみて、やがてベクトルが転換することが予想されます。
但し、このような相場が更にマドを空けた上昇を今少し繰り返すと言ったこともあり得ます。
比較的長いサイクルを想定したベクトル反転狙いなら、焦らずその模様を一定程度確認した上でトレードに臨むことが望ましいでしょう。
短期的な下落を狙ってポジションを持つ場合には、気を抜くことなく短いサイクルでの利食いあるいは損切りを意識しておく必要があります。
「捨て子天井」の形状は相場の損玉が過熱圧力に屈して少しでも有利な値段で買い戻そうとする希望を捨てて、そうしたトレーダーが成行き売りに転じたことの表れと捉えることが出来ます。
つまり、比較的冷静に売りを入れようと待ち受けているトレーダーの相場が出現したと言う事で、その後は弱気の相場に移行することが期待できます。
比較的冷静で経験豊かなトレーダーの売り行動が現れた、あるいは近づいたと考えられるわけです。
こうした過熱感に対する売りムードはやがて相場を反落に向かわせると考えられるものです。
こうした相場では、市場に飽和感があるとは言え、隠れた材料などの露呈によって停滞や更なる上昇と言う事もあり得ます。
相場は生き物なので過去の類型で多く発生している現象と言えども毎回経験則のシナリオ通りになるとは限りません。
但し、罫線家たちの経験上、相場サイクルの高値水準や天井圏で「捨て子天井」が現れれば、その出現からさほど遠くない時期にベクトルが反転する確率も高いと考えられています。
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