天井圏に現れたら注意すべき酒田罫線「陽の陽はらみ」
下落相場への反転を暗示する足形。
「陽の陽はらみ」は陽線主体の上昇相場で大陽線に続いてその陽線の実体の値幅の中に納まる形つまり「孕まれる」形で陽線が出現する足形を言います。
「はらみ線」とは過去線の実体内に直前線の上ヒゲから下ヒゲまでの値幅が収まる線組み(孕んだ形)を言います。
但し解説書によっては「はらみ線」を一本目の実体の中に二本目の実体が収まるものと言う定義のものもあります。
その場合は一本目の実体の中にヒゲが収まってないケースで図説されています。
「酒田罫線」の足形定義は複数の解釈があり、また「酒田罫線」の原典と思われるものも不明なため、できれば多くの書籍を比較して納得できる定義を慎重に選ぶと言う作業が必要です。
このサイトでは「はらみ」は過去足の実体内に直近足の上ヒゲから下ヒゲまでの線形が収まる形を基本と考えますが、実体内にヒゲが完全に収まってないものでも「陽の陽はらみ」で示されたような結果の動きを見せるケースも多々見受けられると言うことも意識しておく必要があります。
陽線の実体に収まる形で中陰線あるいは小陰線が出現するのは、前日の終値より安く始まった相場が陽線になったとは言え前日の終値よりは安く引けたことを示しています。
このため、直近の上げを押しとどめたとも捉えることが出来、基本的には下落に転ずる可能性の高い場面と考えられますが、ここは今少しこの後に続く相場を見てから判断する方が無難かもしれません。
このまま揉みあいが続いたり、この後の材料によっては更にもう一段の上昇が起こる可能性もある場面です。
比較的長いサイクルを想定したベクトル反転狙いなら、焦らずあと数本罫線を観察した上でトレードに臨むことが望ましいでしょう。
短期的な下落を狙ってポジションを持つ場合には、気を抜くことなく短いサイクルでの利食いあるいは損切りを意識しておく必要があります。
「陽の陽はらみ」の形状は過去足の大陰線に見られる上昇は小休止したものの、上昇が継続中と言う点を考えれば気迷いムードは抜け切れていないとも考えられます。
孕んだとは言え陽線は連続しており、過熱感から投資家も投機筋も買い建て残高を増やしている状況で限界に達している可能性もあります。
取りあえずは大陽線の終値より下方で始まり、前回終値より下方で引けたと言う事になりますが、陽線の始値には届いていない状態はありものの、冷静に見れば前回足の大陽線の上昇は継続しなかったわけで、これが上値圏や天井圏で出現した場合、過熱感の整理が一定程度行われていることも考えられます。
需給は調整されつつあると考えられるので、この後過去足の陽線の終わり値や安値を下回るような陰線が現れれば天井を確認しての反転となる可能性が大きいと言えます。
陽線が連続している状態ではまだ、市場の様子見感や気迷い感が払拭されていないことも予想され、隠れた悪材料などの露呈によって停滞や更なる上昇と言う事もあり得ます。
過去には同様の類型でベクトル転換が発生しやすいと言えども気迷いがある限り僅かな材料で思わぬ動きも考えられます。
但し、罫線家たちの経験上、相場サイクルの高値水準や天井圏で「陽の陽はらみ」が現れれば、その出現からさほど遠くない時期にベクトルが弱気に転ずる確率は高いと考えられています。
日経平均 | 32791.80(+483.94) |
TOPIX | 2358.55(+34.08) |
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ダウ平均 | 36247.87(+130.49) |
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