上昇相場で現れたら注意すべき酒田罫線「上伸び途上のクロス」
消極的な様子見の場面とされる足形。
「上伸び途上のクロス」は明確な上昇パターン途上で直前の足の上値付近に発生する十字線の事です。
十字線とは実体部分が寄り引け同値と言う寄付きと大引けが同じ値段を付けたものの上下にヒゲのある足形ですが、流動性の大きな相場などでは寄り引け同値が発生することがほとんどないので、直近足形群の実体平均幅から見て極端に値動きの少ない極短線もこれに含められます。
また十字形と言う事で、上下のヒゲはあまり長くなく、上下に伸長差のないものが典型的な足形とされますが、足形としては実体部分の方向感のなさ(同事線や極線)に意味があるため、ヒゲの長さやその有無にはさほどこだわる必要はありません。
十字線(クロス)は迷いや消極的な様子見の足形と考えられるため、「売り買い」のサインではなく、ここは様子を見るべき場面です。
基本的に上昇相場であれば迷いの後は上昇継続と考えられますが、底値付近の上昇相場での出現であれば下落相場が底を形成して上昇に転じたとみるシグナルとされています。
十字線(クロス)に続いて数本の上昇が始まれば、迷いを払拭して上昇確定と見なします。
また、ある程度上昇トレンドが進んだ相場なら十字線(クロス)は「保ち合い」に入る予兆と考えることが出来ます。
寄り引け同値、あるいは寄り引けが近似値である場合、参加者は相場の方向感を持っていないと考えられます。
十字線(クロス)の上下のヒゲが短い場合には誘いとなって後続参加者を呼込むような要素にも乏しい相場で次の動きのきっかけを待っている状態とも考えられますが、上下のヒゲが一定程度の伸びを見せている場合には、トレンドの早い時間でエントリーした投資家の利益確定の売りと後続のトレーダーのエントリーの買いが拮抗した、あるいは反転による損切りと、下落トレンドのエントリーが拮抗したとも捉えられ、いずれも十字線(クロス)によって調整が進んでトレンドが継続の準備ができたと見ることが出来ます。
迷いが払拭されれば、その後に確定したトレンドは一定の勢いを持つ可能性もあります。
十字線(クロス)の出現は市場全体が方向感を探っている状況です。
停滞相場ではなく一定のトレンドに従って値動きしていた相場で、突如として市場全体を巻き込むこうした足形が出るからにはそれなりの材料があると思われます。
十字線(クロス)の材料は事後であっても確認出来るものは確認しておくことが、相場観を磨く上でも大事です。
日経平均 | 32758.24(-473.03) |
TOPIX | 2347.43(-15.22) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 36204.44(-41.06) |
S&P500 | 4569.78(-24.85) |
NASDAQ | 14185.49(-119.53) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7512.96(-16.39) |
ハンセン | 16458.06(-187.99) |
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