底値圏に現れたら注意すべき酒田罫線「勢力線」
下落心理を押しとどめて相場の上昇反転を暗示する足形。
「勢力線」は下落相場において直前の罫線の安値から「マド」を空けて「陽のカラカサ」もしくは「下影陽線」と呼ばれる足形が現れた形です。
直近の罫線と「下影陽線」の間の「マド」はギャップと呼ばれるもので、前後二本の罫線間に値段のつかなかった価格帯が生まれた空白状態を指しています。
「カラカサ」とは柄のついた傘のことで、普通上ヒゲがなくて下ヒゲだけが伸びた実体の短い陰線を指しますが「下影陽線」の場合は下ヒゲが長くて実体の短い陽線全般を指すために、非常に短い上ヒゲのあるものも含むとする解釈もあります。
「勢力線」の「勢力」は押し上げ勢力つまり弱気相場における強気の勢力の事です。
酒田罫線とされるものには、手法や用語、形状などの解釈が定まっていないと思われるものも多々あるため、「マド」の解釈には高値安値で形成される値幅が重複しないとするものと実体の値幅が重複しないものを対象とするなどの幾通りかあります。
このサイトでは一本目と二本目の罫線の間で上ヒゲと下ヒゲの線形レンジがかぶらない状態を「勢力線」に現れる「マド」と定義しますが、安値圏の下落相場であれば、「マド」のギャップがヒゲのはみ出しなどの不十分なものでも市場の雰囲気によってはその後の動きにここで説明する「勢力線」と同様の相場を見せるものが往々にしてあると言うことも理解しておく必要があります。
「下影陽線」は底値圏や下値圏に限らず現れればほぼ「買い」の予兆であると考えられます。
そのため特に下値圏では下落が押しとどめられた位相として「相場反転」の予兆と捉えられます。
長い下ヒゲはその長さの分だけ売り圧力が買い圧力に押し戻されたされたと捉えることが出来ますしその圧力は短い実体とは言え陽線を描くほどの「勢力」を持っていたと言えます。
「勢力線」の出現が、短期・中期トレンドサイクルの安値水準や大トレンドの底を意識するようなタイミングであれば、局面が変わった予兆である可能性が高いとも考えられます。
但し、その後の環境変化によっては、ふたたび下落を続ける可能性も当然あります。
中期以上のベクトル転換狙いなら、焦らずその模様を一定程度確認した上でトレードに臨むことが望ましいでしょう。
短期的な上昇を狙ってポジションを持つ場合には、気を抜くことなく短いサイクルでの利食いあるいは損切りを意識しておく必要があります。
勢力線に見られるようなギャップを空けての罫線形成は過去足や直近過去相場の下落エネルギーがまだ未消化であって更なる売り調整が指値を諦めた成行で行われた可能性を示しています。そうした悲観を買いの圧力が陽線になるまで押しもどしたと言う事は、長い下ひげで売り玉が整理され、買い玉に割安感が出ている可能性が高まっています。
この買いポテンシャルによる反発がやがて市場のムードを転換すると予想できます。
そうした値ごろ感、割安感は市場心理を徐々に上昇期待に向かわせます。
「勢力線」は相場反転や反発を引き起こす罫線の位相と考えられますが、中途半端な反発で終わることやほぼ不発に終わることもあります。
但し、罫線家たちの経験上、相場サイクルの安値支持ラインや底値圏で「勢力線」が現れれば、その出現からさほど遠くない時期にベクトルが一旦反転する確率は高いと考えられています。
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