投資ノウハウ用語「羽黒法」
ローソク足を使ったレトロなトレードスキル。
羽黒法は、週足のローソク足のパターンの傾向を類型的にまとめ上げた、昔からあるとされる日本のテクニカル分析(パターン系)手法です。
これは「羽黒山人」を称する人物が編み出した手法であるとされますが、「羽黒山人」と言う人物の実在性を含めて、考案者やその成り立ちについては全くの謎とされています。
なお、羽黒山は、酒田五法で有名な山形県酒田市に近いことから両者の関連を指摘する説もありますが、確証はないようです。
個人的には江戸時代に週と言う概念が今ほど意味を持っていたのかが疑問に思えるので、比較的新しいアイディアではないかとも思えます。
一口に「ローソク足で表した四本値」と言っても日足で作ったローソク足と五分足で作ったローソク足ではその形状の意味するところはかなり違ったものと言えます。
日足における始値とか終値にはその日その日の市場の合意のようなものが反映されています。
今日は上昇して終わりたいとか、今日は下がって終わっても仕方ない、あるいはあまりそうした意識がないものなど、市場の思惑などが入り混じった「合意」のような価格が形成されているわけです。
これに対して同じ始値・終値と言っても分足などにはそうした合意のような思惑は反映されていないと考えられます。
ヒゲについても同様です。
日足では探りに行ったあるいは市場の意思として試しに行った価格などがヒゲとしてその足跡に残りますが、分足などの場合にはその意思がどの分足にも表れると言う事はなく、そうしたものを見るには連続した足形を見てみる必要があります。
このようにローソクはその足型を描く時間単位によってその表わす意味や見方が異なってくると言えます。
羽黒法では、週足のローソク足のパターンを読みます。
読み方は、まず一週間の始値・高値・安値・終値の四本値で作成したローソク足に対してその中心に線を引きます。
これは高値と安値の両端の中心線で、いわゆる中値ラインです。
この中値ラインとローソクの表わす四本値との相対位置によって類型化されたパターンで翌週の傾向を読むと言う比較的明瞭なテクニカル分析法です。
パターンは確定週足形を陽線8種類、陰線8種類の計16種類の類型に分類すると言うシンプルなものです。
この線が出た翌週は小幅なボックス振幅とみて、上限下限で逆張りと言う戦略を取ります。
翌週の始値が上放れた場合は「売り」逆に翌週の始値が下放れた場合には「買い」とみなします。
上昇トレンドでこれが現れた場合、翌週の寄りが高くなれば「売り」、さらにその後の価格が中値ライン(翌週のローソクではなくて確定したローソクの中値ライン)を割ってくれば「追撃売り」となります。
底値付近のボックス相場で実体が比較的短い線としてこのパターンが現れた場合は、上昇の兆しとみて「買い」のシグナルです。
但し翌週の始値が大きく下放れた場合は更なる下落の予兆とみて「売り」シグナルとなります。
このパターンが二週続けて現れた場合は、上昇力が確定的とみて「買い増し」のチャンスとなります。
更に三週連続で示現した場合は、押し目を狙った「買い」で小幅に利食う戦略をとるのが良いとされます。
このパターンが四週間連続した場合は過熱感の現れと見て「売り」のシグナルと捉えます。
翌週の始値が中値ライン付近、あるいはそれより低い場合は「買い」のシグナル、逆に翌週の始値が中値ラインより高い場合は「売り」のシグナルと見ます。
翌週、このローソク足の上値を探る可能性が高いと言う見立です。
この形が現れると強力な「買い」のパターンと見なし、次週の始値で「買い」と判断します。
「(4)番線」同様にこの形が現れると、翌週も確定週足形が現れる可能性が非常に高く強力な「買い」と見なします。
特に翌週の始値が、上放れることなく、中値ラインと終値ラインあたりで始まる場合はその可能性が更に高まるとされています。
上昇トレンドでこのパターンが出現した場合はトレンドの終焉が近いことを表していると見ます。
翌週の始値が中値ラインより高くなる場合は、さらに上昇の余地があるとみることもできますが、中値ラインより始値が下になる場合は「売り」のシグナルとなります。
これが上昇相場の高値圏で現れると大暴落の兆しとみます。
その他の場面で現れた場合、この足型は日足では強い「買い」シグナルとされますが、週足では売り買い攻防の分岐点と見なします。
上昇トレンドでは翌週確定週足形の中値を割ってくると「買い」と見なします。
翌週は成行売りの局面と見ます。
さらに、価格の動きがこの中値ライン下回ってきたら、追撃売りのチャンスと見ます。
上昇相場の上値圏で現れた場合、天井での反転の予兆と見て「売り」と判断します。
上ヒゲがある程度長いと弱気相場と捉えて翌週は「売り」と見なします。
上ヒゲが短い場合は暴落を示唆していると解釈しますが、若干強気相場の相があると見て模様眺めとします。
翌週の始値が終値と中値ラインの間にきて、その後の値動きで足型の安値を下回った場合は「売り」と見なします。
但し、一本前の週足が長大陽線だった場合にはこの足型は強力な「買い」のシグナルとなります。
また底値圏で出現した場合に翌週の始値が中値ラインを下回っていて、さらにその後の価格が足形の中値ラインから高値に上抜けて行ったら買いと見なします。
更に、一本前の足形が長線でその実体の中にこの大確定週足形が収まる場合は強力な「買い」シグナルとされます。
この確定週足形足形が天井圏で示現した場合は翌週の始値が中値ライン寄りやすくついたあと、その後の価格が、中心値に達することなく足型の安値を下回ってゆくようなら「売り」と見なします。
翌週の値動きが安値を下回ってくるような場合には暴落の予兆と見て「売り」と見なします。
またこの足形が下落トレンドで出現すると翌週の波乱が暗示されます。
但し、下落トレンドの終盤と見られる底値圏で現れた場合には翌週の相場が上げてきたら「買い」のシグナルと見なします。
強力な「売り」のシグナルです。
翌週の寄り付きで「売り」とします。
翌週の始値が中値ラインより高くなる場合は下降相場の始まりと見て「売り」と解釈します。
逆に中値ラインより下に始値がついた場合、上昇相場と見て「買い」のシグナルと判断しますが、ただし、その後の値動きが終値を下回ったら「途転売り」と判断します。
「買い」と見なしますが、その後の価格の動きが中値ラインを下回ってくる場合は「途転売り」と見なします。
日足で現れたら弱い売り線と見ますが、週足では「買い」のシグナルとなります。
底値圏で出現した場合、翌週寄付きで成り行き「買い」。
高値圏で長大確定週足形として示現した場合は模様眺めと解釈します。
翌週の寄り付きで上放れた場合は「買い」。
ただし、翌々週は下落と見て小幅で利食い、また戻りを待って「売り」のチャンスとします。
逆に寄り値が下放れた場合は押し目を待って「買い」のチャンスとします。
有名な手法とされるため、広く使われているような印象もありますが、実のところがどうなのかは、羽黒法の成り立ちに似て謎の多い手法ではないかと考えます。
それらしい定義も並んでおり、それなりの手間をかけて完成した手法であると言う雰囲気はあるのですが、この手法で成績を上げたとまでは行かなくとも、具体的に「有効性をある程度認めた」と言った報告もあまり見かけることがないため、実際に使用や応用する際には、成績検証を十分に行う、あるいは、有効性の認められる相場を見つけると言った手間をかけた作業が必要であるのではないかと思います。
日経平均 | 32571.03(-452.75) |
TOPIX | 2383.41(-22.59) |
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