投資ノウハウ用語「ボックス理論」
レンジ相場のトレードスキル。
(英)Box Theory
ボックスとは一定のレンジの中で価格が上下振幅を繰り返して推移する状態のことで、「ボックス相場」などと呼ばれますが、いわゆる「保ち合い相場」「レンジ相場」のことです。
「ボックス理論」はハンガリー生まれのアメリカの投資家ニコラス・ダーバス(Nicolas Darvas)が唱えた投資法です。
相場価格はある期間一定の値幅の中を往復する癖・習性があります。
これは市場心理と言うものと関係していて相場と取り組んでいるのが人間である限りその相場が一本調子で上昇・下降すると言う事は考えにくく、他の投資家や相場を取り巻く状況の様子を見ながら売買する限り、相場は常にレンジを造りやすい傾向があるわけです。
心理的な上値抵抗感や下値支持感がレンジ相場を造りますが、抵抗や支持が強い場合、価格はレンジ内を何度も往復することもあります。
このレンジを見極めて往復する価格を売り買いすることで利益を得ようとするのが「ボックス理論」です。
ボックス理論では、このレンジを価格が突き抜けると、その突き抜けた先の価格帯に新たなボックスを形成する傾向が強いと考えます。
つまり、相場価格が上限を突破した時点で買えば、次のボックスの上限を目指して値上がりが期待できると解釈し、その新たなボックスの上限に達すれば反転を繰り返すとみなします。
このような、相場はその大半でレンジ形成を繰り返すものであると言う考えがボックス理論の基本です。
この抵抗と支持のラインは大きなレンジで上下リピートの少ないものもあれば、比較的小さなレンジで上下リピートの頻繁なものもあるわけですが、ボックス理論では投資対象は比較的小さなレンジで振幅の頻繁なものと言う事になります。
個別株の低位銘柄などのある種の銘柄にはボックス理論の投資先として有効と思えるような値動きを繰り返すものもありますが、指数などでも相場を動かす材料の少ない時や、先行き不透明感で方向感を見失っている相場などではこうした投資法が有効と思われるボックス相場が出現します。
このボックス相場内で投資することを、ボックス圏投資法とも呼びます。
ボックス理論の投資行動は単純に、ボックス相場が形成されている状態で、高値圏である上値抵抗線(レジスタンス)で売り、安値圏である下値支持線(サポート)で買いを繰り返すだけですが、ボックスのレンジが狭すぎたり、広すぎたりすると売買に向かない相場となります。
ボックス理論ではこのレンジの幅の見立てが最も重要な注意点となります。
ボックス理論では、一度ボックス圏を上に離れた後、もう一度前のボックスのレジスタンスまで下がったところを買いのポイントとみなすトレードの方法もあり、これをリターンムーブと呼びます。
株式ではこうした買いの戦略でボックス理論を考えますが、信用取引や先物では売りの戦略も当然組み合わせることが出来ます。
ボックス理論では、「一定の値幅で株価が動く」と言う癖の他に相場価格が「上離れ」あるいは「下離れ」した場合にその値動きが加速するケースが多いことや、あるいは上離れ・下離れした先で新しいボックス相場を形成する傾向が強く、この時のボックスレンジは相場心理として以前のボックスレンジと良く似た範囲を作ると言う傾向が認められます。
このためボックス内のリターンの少ない上限下限での往復投資を繰り返すだけではなく、このレンジをブレイクしたポイントをチャンスととらえてより大きなリターンを狙ったポジショニングをする手法も考えられます。
ブレイクアウト手法とは「ボックス内のレンジ高値を更新すれば買う」という手法です。
逆に、過去数日のレンジ内の安値を更新したら売ると言う手法もありこれはブレイクダウン手法と呼びます。
ブレイクアウト手法では個別銘柄を対象に「現在はもみ合っているが、今後ブレイクアウトしそうな銘柄」を探すと言うスタイルが基本になります。
ブレイクアウトしてからしばらくは、株価も出来高も以前より高い水準を維持すると言う傾向を前提とした戦略です。
ブレイクアウトする場合、通常は出来高が急増するため、この現象を使って出来高の推移を確認していきます。
ブレイクアウト手法では対象となる銘柄の板の厚みを見て流動性が高くなっていることを確認します。
次に、抵抗線上に一定の売り注文があることを確認します。
但しこの手法は有名なものであるので、板の様子からブレイクアウトの前兆を見出しても、その板が意図的に作られた「ダマし」である場合も多いので、ロスカットはしっかり定めておく必要があります。
ボックス理論はシンプルな手法であるために他のテクニカル分析を併用する場合は人気の高いもの、つまり多くのトレーダーが同様に反応するようなものを参照することになります。
移動平均やピボットなどが良く当たると言われるのはこうしたライントレードの手法で多くの投資家が同じように参照し、同じように反応しているためと思われます。
ボックス理論では、こうしたライントレーダーやテープリーダーの用いる指標と並んで、比較的相性の良いテクニカルとしてローソク足チャート分析を利用する方法があります。
ローソク足のサインには上限や下限を示すもの、持合いを示すものなどがありますが、これらの中には持ち合いから大きく相場が動く前兆とされるものもあります。
そうしたパターンの示すシグナルを読む事でブレイクアウト手法の買い場・売り場を確認することができます。
日経平均 | 31913.74(-593.04) |
TOPIX | 2206.30(-29.98) |
JASDAQ | 164.28(-0.47) |
ダウ平均 | 33665.02(+91.74) |
S&P500 | 4265.29(-18.56) |
NASDAQ | 13108.82(-167.59) |
ドル/円 | 144.642(+0.172) |
FTSE100 | 7624.34(-3.76) |
ハンセン | 19252.00(+152.72) |
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