インプライド ボラティリティ(IV) 押えの知識四要

インプライド ボラティリティとは

(英)Implied Volatility(IV)


ボラティリティとは相場の価格の変動の大きさの事で、たとえば「ボラティリティが大きい」と言えば値動きが大きくてレンジが広い状態、つまり価格の上下のブレが大きい状態をいいます。

インプライド・ボラティリティ(IV)とは「予想変動率」つまり予想さる将来のボラティリティの事です。

ヒストリカル・ボラティリティ(HV)とは過去の一定期間のボラティリティのことで過去の傾向を集計したものです。

(IV) (HV)
意 味 将来の変動率 過去の変動率
計算対象 オプション価格 過去の価格データ

ヒストリカル・ボラティリティは「過去のボラティリティ」ですから過去の価格データがあれば容易に知ることができますし、傾向を見たり、その変動率を集計することも普通にできると言う事は想像できますが、インプライド・ボラティリティは「将来のボラティリティ」と言うことなのでそれがわかればすごいことになりますが、実際にはこれはあくまでもオプション価格から予測する将来の価格変動のことで、未来の相場の変動とは違います。

また、インプライド・ボラティリティの計算も「将来」と言う不確定要素だけからなるものが対象なので、信頼性や正確性から言えば、日々その計算値が異なると言う曖昧な結果しか期待できません。

ブラックショールズモデルでは、同じ満期日のオプションのIVは同じ日になると言う仮定が前提となっています。
しかし、実際には同じ満期日なのにもかかわらず行使価格ごとに異なったIVが産出されており、このことからもブラックショールズモデルはその不完全性に目を瞑って便宜上用いられているものだと言う事がわかります。

つまり、インプライド・ボラティリティとは便宜上用いられる予想変動率(未来の変動)なのです。

オプションの計算モデル

相場を完全にモデル化することは現在の科学では不可能なのですが、多々の制約を差し引いてみれば、ブラックショールズモデルで把握できる相場の変動性はかなり高い精度とも言えます。

そのためオプションの需給を見ると言う視点でみれば、ブラックショールズモデルの応用、使い道も見えてくると言えます。

オプションは裁定やリスクヘッジと言う形で現物市場や指数先物市場の価格、あるいは価格変動に影響を与えていると言う視点です。
その意味ではオプション価格や変動の将来性も当然市場全体に波及しています。

インプライド・ボラティリティはオプションの将来の変動予測が市場の心理やムードに与える影響の視点として捉えるものです。

ブラックショールズ モデル

フィッシャー・ブラック(Fisher Black)とマイロン・ショールズ(Myron Scholes)が1973年に発表したオプション価格算出のための理論式です。
マイロン・ショールズはロバート・マートン(Robert Merton)とともに1997年(ブラックの没後)にノーベル経済学賞を受賞したことでも有名な学者です。

無配当株式タイプのオプション価格を算出する理論式として考案されたものですが、その後、いろいろなタイプのオプションを対象として改良版が発表されて、今日もっとも広く利用されているオプション価格計算式となっています。

但しアメリカンタイプ(いつでも権利行使できるオプション)には対応できないものであり、また現状ではその難解な計算には不備な点も数多く指摘されています。

たとえばヨーロピアン・タイプのオプションでもバリア・オプションの計算などには適していないとされており、実際にはこのようにかなり限定された利用しかできないのが現状です。

それでもブラックショールズ モデルは、他に有効な対案や代替となる理論がないことから、現在、標準的なオプションに対する基本的な理論価格決定式として広く利用されています。

ブラックショールズ モデルの計算式はネットで簡単に検索して見ることが出来ますが、いわゆる算数で理解できるテクニカル分析の計算式とは次元の異なるもので、数学の知識がなければ計算経過の理解は困難なものであるためここでは割愛します。

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