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テクニカル 移動平均素集 (序説)

移動平均線とは、一定の期間の終値の平均値を時系列で並べてチャートにしたものです。
この移動平均と言う統計学の考え方を相場分析の手法に持ち込んだのは、グランビルの法則などで有名なグランビル(Joseph Ensign Granville)が始まりとされています。


日足の終値で移動平均を作る例をみてみます。
まず移動平均を算出するのに当たって平均の期間を何日分にするのかが重要です。
よく用いられるのは一週間の市場開場日数である5、1ヶ月の市場開場日数である20、10週の市場開場日数の50、などですが、日本では日曜日を抜いた一ヶ月の日数である25やこれを基準にした3ヶ月分の日数である75などが良く用いられるようです。

移動平均線の計算法
25日移動平均線の場合でみてみることにします。
まず、当日を含めた直近の過去25日分の終値を合計して25で割ったものが算出初日分の移動平均値となります。
2日目以降は、同様にその基準日から基準日を含めた直近の過去25日分の終値を合計して25で割ったものを並べてゆけばよいことになります。
実際には基準日前日の平均値を25倍したものに基準日当日の終値を加えると同時に、25日前の終値を除外して25で割って行くと言う作業になります。
このようにして順次平均値を求めていき、その値を線で結んでチャートにしたものが25日移動平均線になります。
もちろん終値には、週足や月足などが使えますし、必要に応じて終値以外のものを用いる場合もあります。


基本的な使い方
移動平均は実際の値動きの振幅をなだらかにすることで、値動きの細かな振幅の中に埋没したトレンドの方向性を視覚的に明確化します。
値動きチャート同様に、移動平均線が上向きの場合は上昇トレンド、横這いなら方向感の少ないボックス圏、下向きなら下降トレンドと考えれば良いのですが、実際の値動きに比べてその方向性のエッジはクリアです。
そこで、こうしたことを踏まえた上で値動きとの相関関係から市場の動きを判断してゆくと言う使い方が主となります。
市場価格が移動平均線よりも上にあるか下にあるかという点を見ることでおよそのトレンドを把握することができ、以下のものが最も基本的な見方です。
  1. 移動平均線が上向きでなおかつ価格チャートがその移動平均線より上に推移している時は上昇トレンドと言えます。
  2. 移動平均線が下向きでなおかつ価格チャーチがその移動平均線より下に推移している時は下降トレンドと言えます。
  3. 価格の動きが移動平均線の上下を行き来しているような時は方向感のないボックストレンドであると言えます。

また移動平均線は価格の動きに対して抵抗線や支持線を形成するケースが一般的にみられるため通常サポートライン、レジスタンスラインとしても参照されます。
  1. 上昇中の移動平均線は多くの場合下げ止まり線つまり下値の抵抗ラインとして機能します。
  2. 逆に下降中の移動平均線も多くの場合上げ止まりの線つまり上値抵抗ライン機能します。
  3. 上昇トレンドに乗っている価格が移動平均線よりも大きく上昇した後でその上昇が止まり利益確定売りなどで下がってくる場合、移動平均線付近から再び上昇に転じる傾向があります。
  4. 逆に、下落トレンドの価格が移動平均線よりも大きく下降した後で売りが一巡して下げ止まった後、再び上昇に転じた場合には移動平均線付近でその上昇が止まる傾向があります。

こうした傾向は頻繁に観察され、また評論家やアナリストもそうした視点で解説するために非常にポピュラーな市場の共通認識となっている上に、市場参加者もそのことを意識して売買しています。
通常はこうした点、つまり分析結果が市場心理に影響を与えていると言う点もも踏まえて、両者の相関関係を見てゆくことになります。



また移動平均は多くのテクニカル指標の中でもっとも重要な構成数値あるいは算出手法として使用されています。
そのため移動平均の理解はテクニカルの理解の基本と言えます。


移動平均線の複合による判断

ゴールデンクロスとデットクロス


  • 短期移動平均が長期移動平均を上抜けた地点をゴールデンクロスと呼び買いサインとなります。
  • 短期移動平均が長期移動平均を下抜けた地点をデットクロス呼び売りサインとなります。


移動平均の応用例・移動平均乖離率
価格と移動平均線の差(距離)を見て、離れすぎをイレギュラーと判断し、イレギュラーはやがて適正値に収束すると言う視点で両者の開き具合を観測する手法です。
「乖離率」と言うくらいですからこの乖離は率つまり%(パーセント)であらわします。
移動平均乖離率 = 現在値 - 移動平均値
移動平均値
× 100 (%)


価格が移動平均線よりも上にあれば乖離率はプラス、逆に下にあれば乖離率はマイナスとなりますが、この乖離率がどの程度の値をとるとイレギュラーと判断できるかと言うポイントを設定してその点を上に越えれば売り、下に超えれば買いと言うことになります。
このポイントの設定値によっては過熱感などの検出にも応用できるわけです。
  移動平均乖離率の解説と計算ブック



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